今日2日は、連邦検察庁が行った、収賄容疑でのテメル大統領告発を受け入れるか否かの審議と投票が下院本会議で行われる予定だ。この日の内に決着をつけたい政府側は、予定通り投票を行えるよう、下議たちに出席を呼びかけると共に、下議から抜擢した閣僚たちを下院に戻し、投票させる予定だ。1日付現地紙が報じている。
テメル大統領の告発が下院で受け付けられるには、下院全体の3分の2にあたる342人以上の賛成が必要だ。言い換えれば、3分の1にあたる171人以上が反対すれば、最高裁での裁判は成立しない。
7月31日夜の時点でマスコミが行った調査では、190人の下議が告発受け入れに賛成し、110人が反対。「無回答」が156人に、「決めていない」が54人となっている。
下院が休会となる直前の7月に開催された憲政委員会では、「告発を受け入れる」という報告官の意見書が却下され、受け付けないとする意見書が承認された。これは、連邦政府による連立与党への根回しが効いたことを意味しており、今回の投票でもテメル氏が告発を逃れるであろうとの見方は強い。
だが、連邦政府が危惧している件がもうひとつある。それは、下議たちが投票そのものに出席するか否かだ。
本会議そのものは、52人の出席があれば成立し、憲政委員会が承認した意見書の読み上げと、大統領側の釈明が各25分間ずつかけて行われた後、事前に申し込んでいた下議が1人5分で意見を述べる。
投票はこの過程を終えた後に行われ、この時点では342人以上の出席が必要となる。投票は全ての下議が1人ずつ前に出、賛否を述べる形で行われるが、ロドリゴ・マイア下院議長は、この時点で342人以上いなければ投票を行わないと明言している。
政府側が危惧しているのは、告発受け入れ賛成派の下議や意思表示をしていない下議が欠席することで抵抗し、投票を不成立にさせることだ。
投票欠席による妨害工作は、既に野党の社会自由党(PSOL)とレデ(REDE)が実行を明言しており、政府側は、この輪が広がらないよう気を配っていた。
ただ、同じ野党でも、労働者党(PT)、ブラジル共産党(PCdoB)、民主労働党(PDT)などでは、「投票を先延ばしするのは賢明でない」とする声も実際にあがっているという。とりわけPTの中には、テメル氏の影響力が弱まった状態で18年大統領選を迎えることを望むメンバーもいるという。
また、連邦政府側は、連立与党を抜けて間もないブラジル社会党(PSB)や、連立存続か否かの瀬戸際にある民主社会党(PSDB)からの票をできるだけ多く獲得することにも務めている。
予定通りなら、下院本会議は今日2日の午前9時から開催される。
なお、イボッピの最新調査だと、国民の81%がテメル大統領の告発受付を望んでいるという。