1981年にニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジで産声を上げた、老舗ジャズクラブの代名詞的存在でもあるブルーノート(BN)。アメリカに3店舗、日本に3店舗、中国とイタリアとスロヴァキアにも1店舗ずつを構えるこのBNが、8月31日にリオにもオープンする。
着席での席数350のBNリオがオープンするのは、リオ市南部のロドリゴ・デ・フレイタス湖の近くで、2012年から15年までは「ミランダ」というミュージックバーが店を構えていたところだ。
既にBNリオでのショウの開催も決定している女性シンガーのレニー・アンドラーデは、「BNがリオにできてとても嬉しい。最近はジャズバーやミュージックバーの閉店が続いていたから寂しかった」と語る。
創業者の息子で、BN現社長のスティーブン・ベンスアン氏は、「ブラジルはとても豊かな音楽文化、ジャズ文化がある。ずっと、この国への進出はBNにとって自然なことだと思ってきた。正直、今のブラジルの不況は進出計画時には想定していなかったけれど、我々は未来の可能性に賭ける。BNは、他のどこも連れてこられないほどのビッグネームをリオに招聘する事が出来る」と語る。
ベンスアン氏は、ブラジル進出計画は10年越しで、最初はサンパウロの予定だったことも明かした。2012年までのブラジル好況期に開店できなかった事はちょっとした驚きだ。
BNはブラジル人企業家ルイス・カライニョ率いるL21合資会社とライセンス契約を結んだ。
今後は同社がBNのブランドを活かして、ショウのブッキングを行い、音楽と共に観客が楽しむレストランのメニューなどを考案していく。
BNはアーティストと単独の店舗で個別に契約するのではなく、世界の支店などでの複数のショウの契約を結び、その中でアーティストはリオでショウを行う。
「たった1回のショウを行うためになら、ブラジルには来ないであろうアーティストも、BNを通してなら、ショウをやれる。BNはアーティストたちに、リオも含んだ世界各所でのショウをパッケージでオファーするからね」と言うベンスアン氏は、「(世界的に有名なアメリカ人ピアニスト)チック・コリアがブラジル・リオの、大箱でない、シックな小洒落たミュージックバーで演奏するなんて、BNじゃなきゃ実現させられないよ」と自信を見せた。(チック・コリアの公演は10月20日に既に予定されている)
BNリオでは、ジャズ以外にも、ブルース、R&B、ボッサ・ノヴァなどの音楽も楽しめる。
1988年にBNニューヨークでデビュー公演を行ったレニー・アンドラーデは、「ジャズが扉を開いて、ボッサ・ノヴァが入っていく」と表現した。イタリアや日本のBNで何度も公演しているマルコス・バッリも、「BNリオのオープンはとてもよいタイミングだ」と語っている。
ブルーノート・リオの所在地はAvenida Borges de Mederos, 1424, Lagoa, Rio de Janeiro, RJで、オープンは8月31日。詳細情報は、https://bluenoterio.com.br/ で。(2日付フォーリャ紙より)