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ベネズエラ問題=米州機構も選挙管理委員会批判=5日にはメルコスルの外相会議

 【既報関連】ベネズエラのマドゥーロ大統領が7月30日に制憲議会の議員選挙を強行し、野党指導者を再逮捕した上、投票率偽装が暴露された事などで、南米南部共同市場(メルコスル)が5日に緊急外相会議を開催すると3日付ブラジル国内紙サイトが報じた。
 ベ国政府は制憲議会の議員選挙の結果を1日から公表し、3日に議会発足と報じたが、得票数などは伏せていた。
 だが、投票機提供や得票集計を担当したスマートマティック社が2日、「投票者数800万余という数字は最低100万人分水増しされている」と暴露し、同国政府と選挙管理委員会(CNE)を告発。同国検察庁は同日、今回選挙での不正に関する調査を始めた。
 3日には、同国CNE委員以外の国内外の専門家による監査と制憲議会無効化を要請した。
 しかし、マドゥーロ大統領は3日、制憲議会は同国の政治的危機を解決する最良の方策と弁護。決まった35人の議員の認証式を行う必要もあり、議会発足を4日午前11時(ブラジリア時間の12時)に延期するとだけ発表した。
 同国の制憲議会については中国などが支持を表明しているが、欧州連合(EU)その他、多くの国や地域は認可しないとの意向を表明済みだ。
 南米南部共同市場(メルコスル)は、5日にブラジルで緊急の外相会議を開き、ベ国問題を話し合う事を決めた。今回の会議では、ベ国の参加資格剥奪は必至と見られている。
 また、米州機構のルイス・アウマグロ事務局長は3日、10月開催の米州選挙管理委員会会議へのベ国CNEの参加を認めないと発表した。同局長は2日、「ベ国の制憲議会選挙でラ米最悪の違反行為が起きた」と同国を強く批判していた。
 ブラジルでは、無条件でのマドゥーロ政権支持を表明していた労働者党(PT)などで、党内の意見対立が起き始めている。