ブラジル広島文化センター(平崎靖之会長)は6日、同講堂で「原爆死没者追悼法要」を行った。約60人が参列した法要は南米浄土真宗本願寺(西本願寺)の中野晃治導師と久保光雲開教師(ともに広島県出身)が執り行った。法要後は「黒い雨」(1989年、今村昌平監督)が上映された。
原爆が投下された8時15分、犠牲者へ一分間の黙祷を捧げ、平崎会長が献灯した。参加者による献花の後、中野導師の読経により、しめやかに焼香が行われた。
久保開教師のポ語による法話では、「広島に生まれた責任の大きさ」を感じ続けた同師と仏教との出会いを紹介。さらに自作の4コマ漫画を配布し、「全ての生き物は繋がり、関係を持つことで成り立つ。一人で存在するものはない」と仏教の教えを説いた。
その後、松井一實広島市長の昨年度の『平和宣言』が日ポ両語で代読された。平崎会長は声を震わせながら自身が被爆者であることを語り、「被爆者として命ある限り、平和活動に貢献したい」と語った。
県連の山田康夫会長や松柏・大志万学園の訪日使節団代表生徒による挨拶が行われ、同学園に記念プレートが渡された。
牧山純子さん(長崎、69)は「平和の重要性を考えさせられた」と参加した感想を述べた。
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平崎会長は法要中、長崎県人会と国際文化センターとともに、原爆写真展を企画していることを明かした。なんと国連のアントニオ・グテーレス総長を招待し、連絡を待っているとのこと。その後に挨拶に立った山田会長は、「壮絶な想いを聞いた。用意した挨拶文など読んでいられない」と平崎会長の強い気持ちにショックを受けた様子。写真展の企画についても「県連としても、こういった平和活動を支えていきたい」と語り、援協にも協力を呼びかけた。