今回、アスンシォン市のカルメリタス・センターにおいて開催された、パラグァイーブラジル商工会議所の友好的な会議の席上、レア・ヒメネス・ヅァルテ大蔵大臣が「ブラジルの政治、経済動向がパラグァイ経済に及ぼすインパクトの可能性」と題する講演を、多数の業界要人参加の許に行った。
この機会に同蔵相は、パラグァイの最大の貿易相手国たるブラジルとの、我が国の経済事情の全体像を開陳した。
その意味において、地域諸国の影響から離脱するパラグァイの経済能力の可能性を特筆した。
かつて、パラグァイは同じくアルゼンチン等との貿易関係が深く、特にブラジルの経済勢力の影響が顕著だったが、今日ではその動向が変わりつつある。
同時に、この現象は国家経済の多様化の結果によるもので、その一つに近来のマキーラ産業の貿易振興政策が果たした効果を指摘した。しかしながら、ブラジルは依然としてパラグァイの貿易分野の大部分を占めている点も強調した。
よって、パラグァイは永久にこの隣の大国と離反する事はできず、従来の主要貿易相手国の地位を維持し続けるであろうと語った。
蔵相レア・ヒメネス女史は、ブラジルの政治経済情勢は、我が国市場で通貨換算相場や国際市場では債券利回りにネガティブな影響を及ぼしたと述べた。
この関連で、国産外の製品輸出(三角貿易)が、自ずと対ドルのレアル通貨の切り下げ及び景気後退の影響を受けた。
しかし、現在ブラジルはその国情にかかわらず、パラグァイとの二国間貿易の動勢は、2017年度上半期は前年度同期間に比し、39%の回復率を示した他に、経済の浮薄性の軽減を促し、地域市場の安定性に寄与したと述べた。
(以上は、レア・ヒメネス蔵相の楽観的なパラグァイの経済情勢に関する見解で結構な事だが、やはり大国ブラジルはいかに一時的におちぶれたとは言え、『ブラジルがくしゃみをするとパラグァイは風邪を引く』の例えの経済力学の道理で、パラグァイは地政学的又は宿命的にも従属の域は脱し得られないであろう。筆者記)
▼サンパウロの実業団はパラグァイで生産的投資事業の開発を狙う
グスタボ・レイテ商工大臣はFiesp(サンパウロ州工業連盟)のパウロ・スカフ(Paulo Skaf)会頭と駐伯マヌエル・カセレス大使の訪問を受け会談し、パラグァイにおけるブラジル企業の生産的な投資事業開発について話し合った。
◎合意事項
同会談では、両国間の経済関係や投資事業についての基本問題点の見直しが行われた。
レイテ商工相と前掲の連盟会頭はサンパウロ州の生産的企業のパラグァイ進出の促進を図る為に商工省・MICと産業連盟・IBREIは支援、協力する事で合意した。
◎自由貿易
同じく、双方はこれまでになくヨーロッパとメルコスール間の自由貿易の振興・促進に努める事で一致した。
グスタボ・レイテ商工相は、ブラジル産業界で最大の国内総生産・GDPを誇る産業連盟・IBREIの会頭とそのように重要な懸案の合点に至った事を喜びとし、喝采した。
なお、この会合に先立ち、権威のドン・カブラール財団でIBREIの主催で開かれた、パラグァイ投資事業促進セミナーにレイテ商工相及びIBREI・ミッション団員その他の関係者が多数出席した。
◎パラグァイ国のイメージ
このセミナーには100余人のブラジル企業家が参加した。
現在パラグァイの信用はとみに高まっており、今日において、ブラジルの投資家は安心してパラグァイで経済や商業分野の堅固な統合活動が期待出来ると、レイテ大臣は語った。
ちなみに、サンパウロ州工業連盟は同州の代表的業種52分野を傘下に数え、133のビジネス協会及び各種産業130・000社を擁し、全伯GDP・国内総生産の43%を代表する大経済組織である。