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《ブラジル》FGTSの利益還元額は?=大半の口座は10レ以下の配当

 【既報関連】連邦貯蓄銀行(Caixa)が8日に発表したところによると、勤続年数保障基金(FGTS)の利益還元を受ける資格がある労働者は8800万人で、配当金は8月末までに各口座に振り込まれる。
 10、11日付現地紙サイトによれば、還元されるのはFGTSが16年に得た利益の半分の72億8千万レアルで、配当を受けるのは、8800万人の労働者が持つ、2億4570万の口座だ。FGTSの口座は勤務先が変わる度に作られ、複数の口座を持つ人が多い。
 配当は昨年末現在の残高100レアルにつき1・93レアルで、各口座への配当額の平均は29・62レアルだ。配当額が10レアル以下の口座は1億8094万で、10・01~100レアルの口座は4788万、100・01~1千レアルの口座は1602万、1000・01~5千レアルの口座は83万5430、5000・01レアル以上入る口座は2万4570だ。
 この利益還元で昨年末現在のFGTS基金(預入金も含む)についた利子は年7・14%(還元なしだと5・11%)となり、年間インフレ率の6・29%を上回った。だが、ポウパンサの8・3%よりは低かった。
 利益還元に関する情報は、電話0800・726・2017で受け付ける。照会には、名前と納税者番号(CPF)、または社会統合基金の番号(PIS)が必要だ。
 配当金は今月中に振り込まれるが、引き出しは通常の口座残額同様、正当な理由のない解雇、家屋購入、重病や急病治療、災害被害、年金受給開始、70歳を越えた場合などに限られる。
 FGTSの基金は、上下水道整備やインフラ、公共住宅建設といった事業への融資や投資などに用いられている。これまではそれによって生じた利益は国庫に入っていたが、今回は半額を労働者に還元する事になった。
 ただ、景気回復の遅れや財政調整のための法案審議の遅れなどで、公庫での税収と支出のバランス改善は進んでいない。企画省は、今年の基礎的財政収支の目標(1390億レアルの赤字)を1590億レアルの赤字に見直す方向で調整を進めている。