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ポルト・アレグレ=金沢市姉妹提携50周年=日本祭りで盛大に祝う=記念に「徽軫灯篭」を寄贈

鏡割りで開会祝い(左端が谷口実行委員長、右から2番目が細田副市長)

鏡割りで開会祝い(左端が谷口実行委員長、右から2番目が細田副市長)

 南大河州都ポルト・アレグレ市の軍警学校で19、20日の両日、『第6回日本祭り』(谷口博実行委員長)が行われた。今年のテーマは「金沢市姉妹提携50周年」。同会場内では金沢市の工芸品展示のほか、加賀友禅染めの講演などが行われた。両日とも天気が大きく荒れることもなく、併催されたアニメベント「ANIME・BUZZ」からも客が入り通行が困難になるほどの盛況となった。

 会場入り口付近の教室では金沢の金箔工芸品が飾られたほか、実際に金箔貼り体験ができるコーナーが設けられ、女性客を中心に人気を集めた。
 各教室では生け花や折り紙、盆栽などを展示。学校中央に設置されたステージでは武道や舞踊の発表が行われた。歌手の中平マリコさんやパ国イグアス移住地の和太鼓グループ鼓太郎会などが会場を沸かせた。
 19日の午後2時に開会式が行われ、谷口実行委員長は協力団体に感謝を述べ、「この祭りは日本文化が当地に生き続けている大事なあかし。ボランティアなど協力者や来場者のおかげで祭りが開催できる」と語った。木村元在クリチバ日本国総領事、グスタヴォ・パイン副市長ら来賓客による鏡割りと乾杯で開会を祝い、森口幸雄元会長に日系社会への貢献活動に対する記念プレートが贈られた。
 恒例の餅つきでは、来伯した金沢市の細田大造副市長が自ら杵を振った。細田副市長は18日に姉妹提携50周年を記念し市内のモイーニョス・デ・ベント公園に「徽軫灯篭」を寄贈したことを報告し、「50周年という節目に当地に来ることができて嬉しい。両市、日伯の友好関係がさらに良くなりますように」と挨拶した。
 加賀友禅染め講演会では、友禅染め作家として38年活動している赤地暁(あかじさとる)さんが、友禅染めの実演と紹介を行った。初来伯の赤地さんは海外での講演も初めて。「緊張したけれど、充実した交流ができた。逆に僕もこちらの文化の影響を受けた」と笑顔を見せた。実演を熱心にみつめていたレアンドロ・ローザさん(32)は、「こういった日本の職人芸をブラジルにもっと広めるべき。僕のような絵が好きな人にとって異国の芸術を見る機会はとても貴重」と語った。
 ブルーノ・ビテンさんは手巻き寿司のコスプレ(6面に写真)で来場。「アニメや伝統的な日本文化の両方に触れられるので毎年楽しみ」と白米の上から微笑んだ。
 舞台では民謡舞踊・歌謡舞踊瀬尾流家元の瀬尾明美さん、金沢市民謡協会事務局の今枝外喜雄さんらが伝統舞踊と民謡を披露し大きな拍手が贈られた。最終日の終盤には、瀬尾さんが百万石音頭に合わせ盆踊りの踊り方を指導し、会場全体で盆踊りを楽しんだ。

 

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 友禅染め作家・赤地暁さんは、元々絵を描くのが好きなサラリーマンだったとか。転勤先のお客さんに絵を見せ、「こっちの方が性に合うのでは」と進められ友禅染めに転進。現在は作家として衣装設計から彩色までこなす。加賀友禅の海外普及を目指し「高価なものなので富裕層向けになりがちだが、例えばタペストリーや小物などで親しんでもらえないか」と考えている。赤地さんは10年前に印象派の作品展に通い「光と水」を今後の作品作りのテーマに決めたそう。「光と水は生命にとって大事なもの。そんな雰囲気の着物があると良いなと思った。自分の作品らしい新しい絵柄を作っていきたい」と穏やかに話した。
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 関係者らが溜め息をつきながら教えてくれたところでは、今年からポルト・アレグレ市長が変わった影響か、2月に出した日本祭りの申請が中々承諾されず、開催月の8月18日にやっと開催許可が下りたとか。そんな思わぬ障害も乗り越え、今年の来場客は昨年の7万人以上と予測されている。昨年に続き副実行委員長をつとめた土井カロリーナ・アヤコさん(27、二世)は「昨年よりも多くの人が入った印象」と笑顔を見せ、「日系人の少ないここでも日本文化継承のために、このイベントを続けていきたい」と意欲を語った。