先週放送された政党放送をめぐり、民主社会党(PSDB)内が分裂状態となり、休職中のアエシオ・ネーヴェス党首の派閥がタッソ・ジェレイサッチ党首代行の更迭を求める事態となっている。22日付現地紙が報じている。
事の発端は、先週、テレビやラジオで全国に流れたPSDBの政党放送で、テメル現政権を「略式任命で得られたに過ぎない大統領政権」と呼んで批判した。
これには、現政権で閣僚職にあるPSDB党員らも遺憾の意を表した。21日夜は、ブルーノ・アラウージョ都市相、アントニオ・インバサイ大統領府総務室長、マルコーニ・ペリーロ・ゴイアス州知事らが集まり、タッソ氏が党首代行を辞した場合の党首人事などを話し合った。会合には、タッソ氏が辞任した際の後継者の一人と目されるジュゼッペ・ヴェッシ副党首の姿もあった。
この会合の前には、アエシオ氏の側近でもあるマルクス・ペスターナ下議が、「タッソ氏をこのまま党首代行の座に置いておけば、事態はますますひどくなる。就任後の短期間でもう6度も、独断で大半の党員の意向に反する行為を行った」と批判している。
タッソ氏は、今年5月のJBSショックでアエシオ氏にJBS社のジョエズレイ・バチスタ氏からの収賄疑惑が生じ、最高裁が党首と上議の職務停止を命じたために、党首代行に就任していた。
アエシオ氏への上議職停止処分は7月に解除され、その後、テメル大統領の収賄疑惑に関する告発を下院が受け付けるか否かの判断をする際に、党内の説得に回るなど、党首復帰を狙うかの動きを見せた。だが、結局、アエシオ氏自身も希望して、最低でも年内はタッソ氏続行と決まった。
ただ、14年の大統領候補だったアエシオ氏は今も、党内における影響力が大きい。検察庁や最高裁からは依然、目をつけられている状態だが、18年の大統領選で再び候補となるべく、復活を願う声も中では大きい。
タッソ氏自身は辞任を固く否定しているが、そのような姿勢をとっているのは、来年の大統領選の候補選びがその理由ではないか、と見る声もある。同氏はジェラウド・アウキミン・サンパウロ州知事の擁立を希望していると言われている。なお、タッソ氏ら党幹部は既に、年内に州ならびに全国の党大会を開き、来年の統一選候補を絞り込む意向を各支部に通達している。
これに対し、アウキミン氏も21日、タッソ氏の党首代行続行を求める発言を行った。下院でテメル大統領への告発を受け付けるか否かの投票を行った際、「大統領の捜査続行を希望する(告発受け入れに賛成)」に票を入れた同党下議の多くは、アウキミン氏の属するサンパウロ州選出の下議たちだった。
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