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マナウス=「コスプレで周り幸せに」=湯婆婆姿で話題、50歳ブラジル人女性=フォロワーなんと3万4千人

お気に入りの「湯婆婆」のコスプレをしたソランジュさん(フェイスブックTia solのページより)

お気に入りの「湯婆婆」のコスプレをしたソランジュさん(フェイスブックTia solのページより)

 【アマゾナス州マナウス発】衣装やアイメイクでアニメなどのキャラクターになりきるコスプレで、50歳のブラジル人女性が話題となっている。若者に交じって懐かしいキャラクターに扮する姿が注目を浴び、SNSのフォロワーは3万人を超える。女性は「コスプレで周りを幸せにしたい」と話す。

 アマゾナス州マナウス市に住むソランジュ・アモリン・ド・ナシメントさんが初めてコスプレをしたのは3年前。コスプレ歴では先輩の長女ジェシカさん(19)の趣味友達から、「コスプレする度胸はないでしょ?」と煽られたのがきっかけだった。
 その友人が費用を出すからと、米国アニメ「ルーニー・テューンズ」に出てくる老婦人グラニーに扮してマナウス市のイベントに参加。周りは若い人ばかりで気が引けたが、いざ会場に入ると、「一緒にいると私たちが注目されなくなっちゃうから離れて」とジェシカさんたちに言われるほど人気になってしまったという。
 その後マナウス市内のイベントを中心にコスプレを楽しむようになった。これまで仮装したキャラクターは15人、日本のアニメ「幽遊白書」や「犬夜叉」のキャラクターになったことも。「私が選ぶのは最新のアニメじゃなくて、昔のアニメから。みんな懐かしがってくれて、中には涙を流す人もいる」と明かす。
 お気に入りはジブリ映画「千と千尋の神隠し」の魔女、湯婆婆。元々映画が大好きだった。何度も観直して湯婆婆の動きや癖を分析し、出てくるシーンを止めては写真を撮って拡大、衣装やアクセサリーのデザインを確認した。費用を抑えるため基本的には自作で、作り方が分からなければユーチューブのチュートリアル(入門ビデオ)を探して研究する。
 ジェシカさんら3人の子どもに教えてもらって始めたSNSに「Tia sol」としてコスプレの写真を投稿し始めるとたちまち話題になり、現在フェイスブックには3万4千人以上のフォロワーがいる。「次はこのキャラクターをやってほしい」というリクエストや、コスプレをする際のアドバイスを求めるメッセージが世界中から届く。
 ネットの世界だけでなく、近所の若者にコスプレをやりたいと相談されることもある。そういうときは「ドラッグなどの犯罪に走るよりも良いから、やらせてあげて」と親を説得するという。
 自身も以前は鬱に悩んでいたが、コスプレで違うキャラクターに変身する楽しみを覚えてから快復した。ソランジュさんは「コスプレはハッピーになるためのもの。これからもコスプレを通じて多くの人と出会い、周りの人たちを楽しませたい」と笑顔で語った。(菅野(すがの)麻衣子通信員)