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《ブラジル》連邦政府が57施設の民営化を発表=空港や造幣局に国道、港湾も=400億レの収益目指す

モレイラ・フランコ大統領府秘書室長官(Valter Campanato/Agência Brasil)

モレイラ・フランコ大統領府秘書室長官(Valter Campanato/Agência Brasil)

 連邦政府は23日、57の公共施設の民営化を発表し、18年までに最低でも400億レアルを確保したいとの見通しを発表した。目玉はコンゴーニャス空港と造幣局と見られている。24日付現地紙が報じている。
 57施設の民営化は、これまでに進められてきた公私共同投資計画(PPI)の中でも最大規模だ。民営化の対象は、航空部門、港湾、高速道、油田開発区など、多岐にわたっている。
 航空部門では14空港の民営化が予定されている。目玉とされるのはサンパウロ市コンゴーニャス空港で、レシフェ空港を含む北東部の6空港、中西部の五つのターミナルなども含まれる。
 コンゴーニャス空港だけは単独扱いで、最低でも56億レアルの入札を見込んでいるという。
 また、空港インフラ公社(インフラエロ)が持っている、ブラジリア、ガレオン、コンフィンス、グアルーリョスの大型4空港の運営上の権限(同公社は49%を出資している)も売却される見込みだ。
 これらの航空事業に関しては、18年第2四半期までに入札規定を発表し、同年第3四半期に入札が行われる見込みだ。
 高速道部門では、マット・グロッソ州からロンドニア州に抜ける国道364号線と、トカンチンス州とゴイアス州を結ぶ国道153号線の二つが民営化される。この二つはいずれも、農業輸送の大動脈だ。
 港湾部門では、パラー州ベレン港のターミナル八つなど、全国で15のターミナルの民営化が行われる。
 その他、ミナス・ジェライス州のジャグアラ発電所をはじめ、岩塩下層の油田の運営や航空機の通信網などの民営化も行われるが、連邦政府が最も期待を寄せているもののひとつが、造幣局の民営化だ。
 造幣局は、通貨やパスポートの発行を行う公共機関だが、近年は財政難に陥っていた。モレイラ・フランコ大統領府秘書室長官は記者会見の場で、「テクノロジーの進化なども加われば、造幣局の運営は極めて安定したものになるはずだ」と語っている。
 政府側は、今回発表された57項目の入札を、遅くとも18年第4四半期までに済ませる意向で、少なくとも400億レアルの収益増を見込んでいる。
 だが、急速で大規模な民営化は、労働者党(PT)をはじめとする野党からの強い反撥を招くのは必至だ。また、財界からは早くも「具体的な入札モデルが見えない」との批判もあがっている。