ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》ルーラ裁判第2審に向け急ピッチか=控訴が異例の早さで地地域裁判所に=次で有罪なら出馬無効だが=開催日次第で揺れる大統領選

《ブラジル》ルーラ裁判第2審に向け急ピッチか=控訴が異例の早さで地地域裁判所に=次で有罪なら出馬無効だが=開催日次第で揺れる大統領選

23日のルーラ氏(Ricardo Stuckert)

23日のルーラ氏(Ricardo Stuckert)

 23日、リオ・グランデ・ド・スル州ポルト・アレグレの連邦地域裁判所(第4区、TRF4)に、今年7月にパラナ州連邦裁判所で行われた裁判に対するルーラ元大統領の控訴が届けられた。控訴到着は異例とも言える速さで、大統領選に支障が出ないよう、裁判を早く行おうとする関係者の意向が現れている。25日付現地紙が報じている。

 ルーラ氏がサンパウロ州グアルジャーの高級三層住宅を介した収賄容疑でパラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事から9年6カ月の実刑判決を受けたのは7月12日で、第2審を行うTRF4に控訴するのに要した日数は42日だった。
 42日という数字は、これまでにTRF4が扱ったラヴァ・ジャット作戦(LJ)関連の控訴の中で、最も短い。TRF4ではこれまでに、LJ関係の控訴を31件受け付けており、TFR4に必要書類が届くまでの日数の平均は96日だ。最も遅かったのは187日と、4倍以上の時間を要した。
 ルーラ氏の42日は、これまでで最も早かったUTC社の53日を10日以上上回る速さだ。
 TRF4のカルロス・トンプソン・フローレス長官は、1審直後に、大統領選に支障が出ないよう、できる限り早く第2審を行いたいとの意向を示していた。
 TRF4での第2審の場合、控訴が行われるまでの日数に関係なく、第1審が行われてから約1年後に結審にいたるのが普通だが、LJ関係の裁判は、結審まで、平均で1年4カ月かかっているという。LJ関連の控訴審は、31件中、約半数が結審に至っている。
 ルーラ元大統領の控訴審がLJの平均通り、1年4カ月後に結審になると、第2審が終了するのは18年11月の半ばとなる。来年の大統領選の決選投票での結果は10月28日の決選投票当日か29日に判明しているはずなので、それでは間に合わず、当選者は19年1月の着任を待つばかりとなる。
 フィッシャ・リンパ法によると、刑事裁判では第2審で有罪になれば選挙には出馬できず、当選しても無効となる。よって、この際にルーラ氏が大統領に当選した場合、選挙のやり直しの必要が生じることとなる。
 TRF4が2審を急ぎたいとしているのはこうした事情のためで、そのため、同裁判所としては18年8月までに第2審を終えたいとしている。この場合は、立候補の届出を行うのは止められないが、ルーラ氏が有罪になった場合も、労働者党(PT)からの候補者を替えることは可能だ。