ラヴァ・ジャット作戦を取り扱う判事として、今やブラジルのみならず世界的にも知られる、パラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事が28日、ラヴァ・ジャット作戦を描いた映画の完成試写会に姿を現した。
モロ判事は、ブラジル史上最大の汚職スキャンダル「ラヴァ・ジャット作戦」において極めて大きな業績を残しており、今や全国でもおなじみの存在だ。
モロ氏の管轄は、同作戦での被告の第1審を裁く地方判事。裁けるのは企業家などの一般人がほとんどで、現職にある政治家は裁けない。同判事が所属する連邦地裁の上には地域裁、高等裁、最高裁があり、司法界のヒエラルキー的に見ると、立場の弱い存在だ。
だが、モロ判事は次々と厳しい裁判や命令を被告に下して話題を呼び、たちまち、ブラジルで最も知られるヒーローのひとりとなった。
被告が政治家か、企業家かなどを問わず、厳格な判決を下すことから、遂には、政治職務を離れているブラジル政界最大の大物、ルーラ元大統領ですら最も恐れる存在になり、さらに、そのルーラ氏にさえ、9年半の実刑判決を下すに至った。
そんなモロ判事は28日、ラヴァ・ジャットを描いた、日本語訳で「連邦警察~法は全ての人のために」という、9月7日から全国一斉公開される映画の完成試写会に、夫人と共に出席した。会場となったのは、モロ氏の地元である、パラナ州クリチーバにあるショッピング・センターの映画館だ。ショッピングの前にはレッド・カーペットまでが敷かれ、モロ夫妻が現れると、周囲から大きな歓声が沸き起こったという。
試写会には、モロ判事のほか、連邦検察庁のラヴァ・ジャット特捜班のデウタン・ダラグノル捜査官や、リオ地区での同作戦担当判事で、先日は現政権寄りの判断をすることで有名な最高裁判事とやりあって有名になったリオ州のマルセロ・ブレッタス連邦地裁判事など、2200人が招待された。奇しくも、国民からは「正義派」の印象を持たれている人たちが勢ぞろいしたことになる。
この映画には、モロ判事やデウタン検察官はもちろん、ルーラ元大統領やマルセロ・オデブレヒト被告などが登場する。モロ判事の役は、人気俳優のマルセロ・セラードが演じている。
映画に対する感想や批評などの詳しい話はまだ入っていないが、この映画は9月7日、ブラジルの独立記念日に全国公開される。(29日付フォーリャ紙などより)
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