来月2日にムクナ豆について講演を行う三浦左千夫さんは熱帯医学の専門家。過去に熱帯病であるシャーガス病について来伯講演した。日系人のデカセギ訪日で日本でも熱病が広がる可能性を調査。そこから現在はデカセギ本人と子どもの精神疾患も研究している。
三浦さんは「ブラジルでのびのび育った子が、急に日本の狭い環境に押し込まれ、一時的に精神を病むことがある。日本の医者はブラジルの環境や文化を理解していないために『この子はおかしい』と判断を誤る場合がある」という。そんな子どもが特別支援学級に入れられてしまうことも。
「診断時に必要なのはバイリンガルに加えてバイカルチャーな人材。両国を把握している人であれば、環境を変えるために帰伯を勧めるといった提案もできる」という。
三浦さんは両国の文化に精通した人材を日伯双方の医療現場へ派遣する活動を進めている。専門外でなくても、デカセギ問題の取り組む姿勢に脱帽した。(陸)