現在、肉親関係を優先させて人身保護令を出した疑いで話題のジウマール・メンデス最高裁判事が、問題の容疑者から花束を受け取っていた事が判明した。30日付現地紙が報じている。
リオ州検察局は29日、「リオのバス王」の異名を持つ企業家のジャコブ・バラッタ・フィーリョ氏の件からメンデス判事を外すよう求める要請書を、連邦検察庁に提出した。これで通算3度目の請求となる。
バラッタ氏は7月3日の「ポント・フィナル作戦」で収賄容疑で逮捕されたが、メンデス判事が8月17日に人身保護令を適用。リオ連邦地裁のブレタス判事が再逮捕を命じたが、メンデス判事が人身保護令を再適用して同容疑者を釈放した。以来、「バラッタ氏の娘がメンデス氏の甥と婚姻関係にあったからでは」と囁かれ、検察庁もメンデス判事を同件から外すよう要請していた。
今回のリオ検察局の要請は、15年11月に、メンデス夫妻に花を贈るよう、バラッタ氏が花屋に送ったメールを見つけたことに裏打ちされている。花の送り先は、バラッタ氏の携帯電話に登録されたギオマル・メンデス夫人の住所そのもので、花屋からは「メンデス夫妻も喜ばれることでしょう」との返信も送られていた。
検察側はこれを「かなり親しい間柄であることの証拠」として、バラッタ氏の件から同判事を外すよう訴えている。被告と血縁関係がある判事は、裁判辞退を申し出るのが慣例だ。
ブラジルでは、最高裁判事を特定の裁判から外すようにとの要請が出ても、最高裁長官が留めて置くのが常だったが、メンデス判事に関してはカルメン・ルシア長官も要請を取り上げざるを得ず、29日にメンデス判事に対し、釈明を求める通達を行った。