ホーム | ブラジル国内ニュース | ファキン最高裁判事=フナロ被告のデラソン受け取る=クーニャ関与の不正融資などで=大統領への2度目の告発か?=PMDB下院の組織犯罪の疑いも

ファキン最高裁判事=フナロ被告のデラソン受け取る=クーニャ関与の不正融資などで=大統領への2度目の告発か?=PMDB下院の組織犯罪の疑いも

ファキン判事(Rosinei Coutinho/SCO/STF)

ファキン判事(Rosinei Coutinho/SCO/STF)

 29日、連邦最高裁のエジソン・ファキン判事は、連邦検察庁から、民主運動党(PMDB)のロビイスト、ルシオ・ボローニャ・フナロ被告が行った報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)を受け取った。同供述にはテメル大統領やエドゥアルド・クーニャ前下院議長(現在勾留中)など、PMDBの要人に関する供述が含まれていると見られており、同判事が内容を了承すれば、テメル大統領への新たな告発にも繋がりうる。30日付現地紙が報じている。

 今回送付されたフナロ被告のデラソンは、検察庁のロドリゴ・ジャノー長官が9月17日の退任前に行うと見られているテメル大統領への2度目の告発の根拠となると見られている。
 このデラソンは連邦検察庁が取りまとめたもので、先週、フナロ被告と検察庁との間で署名も行われた。同庁では30日までにファキン判事が了承してくれることを願っている。この供述が正式に了承されれば、ジャノー長官はそれを使い、次の告発を行う準備を終えることができる。
 フナロ被告はエドゥアルド・クーニャ被告との繋がりが深く、ラヴァ・ジャット作戦においては、16年7月1日のセプシス作戦と17年1月のクイ・ボーノ作戦とで2度逮捕されている。
 フナロ被告は前者では、連邦貯蓄銀行(CAIXA)のファビオ・クレト元副総裁やクーニャ被告らと共謀し、大手企業に勤続期間保障基金ファンド(FI―FGTS)からの大口融資を承認させる代わりに、企業から賄賂を受け取っていたとされている。
 また後者は、前大統領府総務長官でテメル氏の側近としても有名だったが、現在は自宅軟禁中のジェデル・ヴィエイラ・リマ容疑者が連邦貯蓄銀行(CAIXA)の法人部門副総裁だった時、企業への融資優遇と引き換えに収賄を行っていた件で、フナロ被告はこちらでもブローカー役をつとめていたと見られている。
 これらの作戦に関与した企業には、ジョエズレイ、ウエスレイのバチスタ兄弟が社主をつとめるJ&Fやその傘下のJBSも含まれている。
 今回のデラソンの焦点は、PMDBの下議を中心としたグループだ。フナロ被告の供述では、テメル大統領はじめ、クーニャ、ジェデルの両容疑者、エリゼウ・パジーリャ官房長官、現在逮捕中で元下院議長のエンリケ・アウヴェス容疑者、モレイラ・フランコ大統領事務局長らの名前が浮上した可能性が高い。
 現・元閣僚のジェデル、パジーリャ、モレイラの3氏は「テメル政権の3本の矢」と呼ばれた大物で、アウヴェス、クーニャの両氏も元下院議長をつとめた器だが、彼らは全てPMDBの下議経験者だ。テメル大統領も、2009~10年に下院議長をつとめている。
 ジャノー長官は、テメル大統領を、PMDBの現・元下議を軸とした犯罪組織形成と不正な金の流れに関与した容疑、ならびに捜査妨害で告発すると見られている。