ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》ファキン最高裁判事=「テメルの捜査はジャノーで」=「告発は憲法の範囲内」=フナロのデラソンは再提出に

《ブラジル》ファキン最高裁判事=「テメルの捜査はジャノーで」=「告発は憲法の範囲内」=フナロのデラソンは再提出に

ファキン判事(Marcelo Camargo/EBC/FotosPúblicas)

ファキン判事(Marcelo Camargo/EBC/FotosPúblicas)

 ブラジル連邦最高裁のエジソン・ファキン判事が8月29日に、テメル大統領側弁護団が出していた、ロドリゴ・ジャノー連邦検察庁長官を自身に対する捜査の担当から外すように求める請求を退ける決断を下したことが、8月30日に明らかになった。だがその一方、検察庁が8月29日に送付した、テメル氏にまつわる疑惑も含まれていると見られるルシオ・フナロ被告の報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)は、微調整が必要だとして差し戻された。8月31日付現地紙が報じている。
 テメル大統領の弁護士であるアントニオ・クラウジオ・マリス・デ・オリヴェイラ氏は8月8日に、ジャノー長官は「追及への個人的な執念のあまり、憲法が定める権限の範囲を超えてしまった」とし、捜査担当者の交代を最高裁へ申し入れていた。
 だが、ファキン判事は「弁護団が提出した書類では、大統領と検察庁長官の間に敵対関係があったと結論付けることはできなかった」との見解を示し、捜査担当者の交代を拒否した。
 同判事は同時に、検察庁によるテメル大統領への告発は政治上、司法上の手続きをしっかりと踏んだもので、その後に下院がその告発の受け入れを却下したことも同様に正規の手続きを踏んだものだとの見解を添えた。
 さらに同弁護士が、検察庁がジョエズレイ・バチスタ氏のデラソンを受け入れたのは、元検察員のマルセロ・ミレール氏が、ジョエズレイ氏が社主を務めるJ&Fグループの顧問弁護士になったからだとの主張に対しても、「それによって告発の中身が変わることはなかった」としている。
 マリス弁護士はファキン判事の見解に不服を示し、控訴を行うつもりだという。
 また、ファキン判事はその一方で、8月29日に検察庁から送付されたフナロ被告のデラソンに関し、再調整して提出しなおすよう求めた。
 これは、司法取引に関する契約書の条項中、フナロ氏自身への告発に関する部分で同判事が疑問に感じた点があったためだという。司法取引契約上の微調整は、ファキン判事の前任報告官だった故テオリ・ザヴァスキ判事が他の被告のデラソンを了承する際も複数回繰り返された行為だ。
 検察庁は8月30日夜から、早速、その調整にかかっている。それが再提出されれば、ファキン判事はフナロ被告を招集し、供述が自発的なものであったかを確認する。それが確認され次第、デラソンは了承される見込みで、その内容を受けてジャノー長官が告発の準備に入ることとなる。
 ジャノー長官の任期は17日までだが、テメル大統領再告発は9月7日より前に行われるとの見方が広まり始めている。