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サッカーの移籍市場が終了

8月31日、W杯南米予選のエクアドル戦で得点を決めた直後のコウチーニョ(Lucas Figueiredo/CBF)

8月31日、W杯南米予選のエクアドル戦で得点を決めた直後のコウチーニョ(Lucas Figueiredo/CBF)

 欧州サッカー界の夏の移籍市場は8月31日に締切となったが、この締切日に起こった、ブラジルの有力選手の状況を見てみよう。
 既にネイマールがバルサからPSGに、パウリーニョが中国の恒州広大からバルサに移籍したことは世界的にも話題となっていた。その他も、フィリペ・コウチーニョ(リバプール)とルアン(グレミオ)に注目が注がれていたが、2人の移籍は結局実現しなかった。
 今や名門リバプールのゲームメーカーとして不可欠な存在となっていたコウチーニョは、ネイマールに抜けられたバルサが、空席となった左サイドの後釜として喉から手が出るほど欲しい存在だった。だが、リバプールの経営陣や、「彼の移籍はどんなことがあってもありえない」と強く主要してきたユルゲン・クロップ氏がコウチーニョの移籍に猛然と反対。バルサは移籍金を上げ続け、締切直前までオファーを出し続けたが、リバプール側が首を縦に振ることはなかった。
 バルサ行きを強く希望しながら残留となったコウチーニョに関し、ファンの中には「リバプリズン(リバプール監獄)」とチームを皮肉る声まであがった。コウチーニョはこの日、この騒動の渦中にあったこともあり、W杯南米予選の対エクアドル戦の先発を外れたが、途中出場して試合の流れを変え、さらにダメ押しの2点目をたたき出すなど、ボールの持ち時間が長いながら無得点に終わったネイマールが批判されたのとは対照的に、絶賛を浴びた。
 リバプール側としては、せめて来年のW杯までは残留を求めたいとのことだ。
 一方、ブラジル国内で最も市場価値が高いと呼ばれていたルアンは、ロシアのスパルタック・モスクワ、イタリアのサンプドリアといったチームからの主力として期待してのオファーを断っただけでなく、控え選手としての可能性もあるスペインの名門アトレチコ・マドリッドのオファーも蹴った。
 最終日には滑り込みで、スペインの名門ヴァレンシアのオファーも入った。ここ数年低迷を続け、スター選手もいなくなっていたヴァレンシアが再建の望みを彼に託したようなその話は、決して悪くないように見えた。だが、グレミオが既に若手の注目株を今回の移籍市場で欧州チームに獲得されていたことでグレミオ側に余裕がなくなり、「12月からの冬の移籍市場以降で」という話になった。
 グレミオ側によかったのは、これでルアンが、現在準々決勝まで進んでいるリベルタドーレス杯に出場できることだ。
 一方、この締切直前のオファーで移籍を決めた選手がいる。それがインテル・ミランのフォワード、ガビゴルだ。
 サントスで早くから「ネイマール2世」と騒がれ、リオ五輪で活躍後に期待されてインテル入りしたガビゴルだったが、首脳陣の意向により、ベンチを暖めることがほとんどで、それを不満に感じた本人自身がかねてから移籍を強く希望していた。
 移籍先はポルトガルで最も人気の強豪ベンフィカだ。このチームのセンター・フォワードは同じブラジル人のジョナスで、他にもブラジル人選手が多いため、やりやすい環境にある。インテル時代より出場機会は増えそうだ。(1日付グローボエスポルテより)