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《ブラジル》テメル大統領=中国から大きな手土産?=投資など14項目で合意=Brics銀行の支店開設

Brics会議でのテメル大統領(Rogério Melo/PR)

Brics会議でのテメル大統領(Rogério Melo/PR)

 中国を訪問中のテメル大統領が、中国の習近平主席らと会い、1日に14項目の合意書を取り交わした。大統領は現在、福建省アモイで第9回Brics主脳会議に出席中だ。同会議は5日に「アモイ宣言」を採択して終わると1~4日付ブラジル国内紙・サイトが報じた。
 テメル氏が大統領として中国を訪問するのは、昨年8月のG20に続き、2度目だ。大統領は8月31日に北京に着き、ブラジルと中国の企業家向けセミナー(2日まで開催)に出席。2日目の1日は、習主席や李首相との会談後、14項目の合意書に署名した。
 合意書には、観光ビザの有効期間の3年から5年への延長や、ベロ・モンテ水力発電所建設・運営の第2段階(送電線設置)に関する環境許可発行、映画の共同製作に向けてのパートナーシップに関する合意、サンルイス港の民間ターミナル建設のための中交交通建設(CCCC)からの融資契約、ブラジルでの中国人投資家の活動を保証するためのブラジル社会経済開発銀行(BNDES)と中国輸出信用保険公司(SINOSURE)の枠組み合意、ブラジルサッカー連盟(CBF)と中国サッカー協会(CFA)との協力に関する覚書などが含まれている。
 しかし、ブラジル産牛肉に関しては、習主席が品質の良さを認める発言をしたものの、新たな食肉加工場開設などについては何の言及もなかった。また、エンブラエルからの航空機購入についての合意も成立しなかった。
 一方、ペトロブラスは今回、15年に結ばれた100億ドルの投資に関し、中国開発銀行と戦略的合意に達した。投資額の半分は、昨年支払われたが、残る50億ドルの払い出し条件に関する話し合いが具体化してきている。中国はブラジル産石油の約半分(400~500バレル/日)を購入しており、2004年にはペトロブラス中国支社も開設された。
 ペトロブラスと中国との関係は、100億ドルの投資契約締結を皮切りに、中国企業も参加したコンソーシアムによるリブラ油田(岩塩層下)開発にと、より深化している。今後はまた、より密接な協力事業に取り組む予定だという。
 8月に発表した57施設の民営化計画への投資家の参加を得たいテメル大統領は、3日からのBrics会議でも、ブラジル経済は回復基調にあり、現在が投資の最適期であると強調し、各国投資家の参加を呼びかけた。
 Brics会議2日目の4日には習主席が、Brics諸国が保護貿易主義に走らない限り、中国はグループ間の経済・技術協力向けに7640万ドルを融資し、新たに開設する新開発銀行にも400万ドルを出資すると約束した。テメル大統領は4日、ブラジル国内でもBrics銀行の支店開設準備を進めている事を明らかにした。