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ブラジル保健省=黄熱病の流行終焉を宣言=8月1日までに確認された患者は777人

 ブラジル保健省が6日、ブラジル国内での黄熱病の流行終焉を宣言した。同省によると、黄熱病は4~12月の暑い時期に流行る病で、気温が下がった後の発病者は減るはずだという。
 流行病関連の報告書によると、2016年12月1日から今年の8月1日までの間に感染が確認された黄熱病患者は777人で、261人が死亡した。感染が疑われていたが、他の病気だった事が確認された人は2270人おり、現在も確認作業中の人も213人いる。検査が出来ない例も304件あるという。
 感染が確認された患者数が最も多いのは、南東部の764人で、北部は10人、中西部は3人いた。南部と北東部で感染が確認された患者はゼロだった。
 新たな患者の発生は6月以降報告されていないが、再び気温が上がりはじめた時に新たな流行が起きるのを防ぐため、予防接種は継続、拡大される見込みだ。同省によると、黄熱病の予防接種の有効率は、95~99%と高い。
 黄熱病の予防接種が定期的に行われているのは全国19州と連邦直轄区だが、保健省は今年だけで3670万人分の黄熱病ワクチンを各自治体に送っている。この数には、今回の流行を受けて発生した追加用ワクチン数と、定期的に行っている予防接種のワクチンの双方が含まれている。
 ワクチン送付数が特に多かったのは、ミナス・ジェライス州、リオデジャネイロ州、サンパウロ州、エスピリトサント州、バイア州の5州で、これらの州だけで2780万人分の追加ワクチンが送付された。
 これら5州の中でも、感染が疑われるサルの死体が発見されたり、患者が発生したりした市やその周辺の市などの計1121市では、予防接種の必要度がより高かった。理想とされる予防接種率は人口の95%以上だが、この基準をクリアしたのは205市のみで、1121市の平均予防接種率は60・3%で終わっている。
 リカルド・バロス保健相によると、流行状態は終わったが、農村部のように、患者が発生する可能性が高い地域では、予防接種率をより改善する必要があるという。
 先に挙げた五つの州で発見されたサルの死体は5364体に上るが、黄熱病感染が確認されたのは1412匹だった。
 黄熱病の流行は6~7年に1度起きており、最後の流行は2009年に記録されていた。そういう意味では、来年は流行発生の危険度は低いといえるが、保健省は、2018年以降は、接種を義務づけた予防接種のカレンダーに黄熱病も組み込む意向だという。(6日付アジェンシア・ブラジルなどより)