高知県人会(片山アルナルド会長)主催の『第6回土佐祭り』が、26、27両日にサンパウロ市アグア・ブランカ公園で開催された。昨年は雨天に見舞われたが、2日間とも快晴に恵まれ、昨年の倍、3万人以上の来場者が高知文化を堪能した。
初日午後3時から開催された式典で、片山会長は「日伯両国の文化を紹介し、若い世代に自分達のルーツを見つめて欲しいという思いで始まった」と回顧し、「文化遺産としての県人会をさらに継続させていきたい」として、今後の活動への理解と協力を求めた。
そのほか、飯星ワルテル連邦下議、野村アウレリオ、林ホドリゴ・ゴラール・サンパウロ市議らが祝辞を寄せ、青年部を中心に企画運営される同祭を称賛した。
同祭は、回を重ねるごとに高知県人子弟以外の日系人やブラジル人などの若い世代を巻き込んできた。県人会関係者を除きおよそ100人のボランティアが垣根を越えて参加。青年部には非県系人として初めて塩川ファビオ部長が就任した。
そんななか今回新たに取入れられたのが『文化スペース』だ。コスプレ大会で盛り上がる一方、「高知の文化をもっと伝えたい」という若者の思いを形にしたもの。高知の歴史や同地出身のアニメ作家の作品をパネルで展示したほか、よさこいグループによるワークショップが新たな目玉となった。
同グループは、昨年2月に同会青年部の川上カミラさん(三世、25)とJICA青年ボランティアの菅野静華さん(埼玉県、28)が結成。当地では高知のよさこいと北海道のソーラン節が融合したYOSAKOIソーランが主流だが、よさこい自体はあまり知られていない。
「よさこいは、鳴子(作物を狙う鳥を追い払う農機具)が命。よく混同されるが、よさこいソーランとは全く別のもの。伝統的なよさこいを広めることで高知の文化をもっと知って欲しかった」と思いを語る。
20年東京五輪の開会式プログラムで、よさこいが披露される予定で、それに向けて認知度を高めることも一つの目的。同グループは舞台でも披露し、来場者を巻き込み会場を沸かせていた。
そのほか、鯛の蒸しや鰹のたたきなどの郷土食に加え、2日目の終盤には、コスプレ世界大会のブラジル最終選考出場枠を掛けた地区予選で熱狂を帯び、来場者を魅了していた。