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わが移民人生=おしどり来寿を迎えて=山城 勇=(57)

 訪日研修旅行については
①米国(ロサンゼルス・ハワイ)、日本、沖縄の観光
②父母の故郷を知らす。その国々の良さを知り、視野を広める。
③近親との交流
④同世代との交流
⑤青年隊移住者の努力(成果)を関係者が認識する。従って移住促進に寄与することにもつながる。

 「=訪日団一行沖縄着=祖父母らと感激の対面ブラジルから二世33人来沖」(琉球新報祇報道記事より抜粋)
 「わしがおばあちゃんだよ、こんなに大きくなって…」「お父さんの弟だよ、よく来たね」―-ブラジル移住青年隊子弟訪日研修団(賀数朝祥団長)の一行33人(女性6人)が、11日夜沖縄入り。
 那覇空港国内線ロビーでは移住二世の少年少女たちとその祖父母や親類が初めて対面、目に喜びの涙をため、抱き合う人々の輪がいくつもできた。
 同研修団は、在伯沖縄青年協会(山城勇会長)がブラジル移住満25周年を記念して「子供たちに父母の故郷・沖縄を見聞させ、疎遠になりがちな二世と沖縄の交流を深めよう」と企画したもので、団員は15歳から27歳の若者。

 研修団は同日午後9時30分、日本航空機909便で到着したが、那覇空港国内ロビーは親類や関係者が1時間前から続々と詰めかけ約300人に膨れ上がった。ブルーの制服に身を包んだ二世等が姿を見せると一斉に歓迎の拍手。
 少年少女らはたちまちそれぞれの祖父母や親類らに取り囲まれ、肩をたたかれたり、拍手攻めにあったりして温かい歓迎の渦に巻き込まれていった。
 ポルトガル語で育った少年少女らは片言の日本語しか話せないが、体で精一杯感激を表現、祖母や叔父の出迎えを受けた赤嶺イレニネさん(18)も「おばあちゃん」とカマドさん(78)の胸に飛び込みただ泣きじゃくるだけだった。
 2歳の時、母とブラジルに渡った山城一也さん(25)は「12歳の時ブラジルで別れた叔母さんに会えてうれしい。自分の生まれた故郷をこの目でよく見て帰りたい」と話していた。
 また、二世の照屋みゆきさん(16)は「父は沖縄のいいところばかり話すが、本当かどうか確かめたい。でも大勢の出迎えをうけ人情味あふれる人々の心に感動した」と片言の日本語で語っていた。