Aさんは毎週土曜日には私たちのバンカへ野菜を買いに来るのです。底抜けに明るい彼女の性格は誰もが好感を持つタイプで、私も大へん親しみ易い方だと直感はしていたが、それに加えて彼女の主人もまた青年隊であると云うことで二人の親しさはますます増すし、今でも実姉妹の如き付き合いをしております。
彼女はまた非常に寛大で、それに大変器用で、いろんなお菓子類や漬物等をよく作り、それを作る度毎に私たちは有り難く頂戴しているのです。そして私の娘等は云う。
上の娘は「Aさんの叔母さんとママイは、ほんとの姉妹みたいだね。叔母さんは何でも作ったらすぐ私たちに持って来てくれる」と。
また、末娘は、「Aさんの叔母さんとお話するのはとても面白い。どんなに怒った顔でも叔母さんのお話では、すぐ笑わせてしまう」等と。
このようにして、とにかくAさんは大へん朗らかで、且つ人情深い性格の持ち主でもあります。
次に、Nさんとは15周年の記念式典で初めて知り合った。
その後日語学校の父兄会やその他の集いで会う機会が多く、益々近親感を密にしてお互いに境遇を語り合い、今では大へん信頼しあえる間柄であります。
そのNさんは不幸にも20周年後間もなくして主人をなくして、その悲しみもようやく忘れかけようとする今年の2月、主人代りに頼りにしていた長男(21歳)もまた事故が原因で亡くしたのでした。
二重の悲しみで気も狂わんばかりでしたが、家庭や周囲の温かい思いやりでやっと心のおちつきを取り戻し、今では毎日仕事に励んでおります。
その家庭は人も羨む程教育に熱心でありますし、それに人一倍意志の強いしっかり者のNさんの事であり、今後幾多の苦難に遭遇しようとも、それをうまくのり越えて、教育途上にある子供たちをきっときっと人並以上に育て上げ、そして立派な家庭を築く事と私は信じているし、またそうであって欲しい、と祈念してやみなせん。
次にGさんは先妻が病死され残された子供たち(2男2女)の所へやって来ました。云うなれば後妻であります。
目立って心の優しいGさんは、大変世話好きでもあり、県人会支部、また婦人会、青年協会等の行事の場合、何時も率先して協力してもらっている方であります。子供たちとの折り合いもうまく、現在円満な家庭を築いております。
その外、Oさん、Mさん、Iさん、Tさん、Yさん….とたくさんの方々が居りますが、私がこのような素晴らしい友人に恵まれたのも主人同志が青年隊である、と云う一つの絆に結ばれたゆえんからではないでしょうか。
私は「青年隊の妻であってほんとに良かった」としみじみとその有難さを思うのであります。