ラーモス日伯文化協会(尾中弘孝会長)が、『第19回さくら祭り』を3日、サンタ・カタリーナ州フレイ・ロジェリオ市のラーモス移住地のさくら公園で開催した。当日は好天に恵まれ、フロリアノポリス、ジョインビーレ、シャペコなど州内各地から大型バスが詰めかけ、来場者数約4千人を記録した。
昨年は州政府から助成金がつかず中止となったが、今年はラーモス出身の川道健さん(イビウナ在住)の協力により、大型テントとドーム型テントを無料で借り受け、州からの助成金無しで開催された。
開会式に先立ち、会場内の観光物産館八角堂で木村元(はじめ)クリチバ総領事夫妻が桜の記念植樹を行った。同八角堂は木村総領事が在ポルト・アレグレ出張駐在官事務所の領事だった頃、草の根無償資金で建設されたもの。完成時に立ち会えなかったため、今回記念植樹したことに感慨深い様子を見せた。
式典には小林雄二会長代行をはじめ木村総領事、フレイ・ロジェリオ市のジャイール・ダ・シウヴァ・リベイロ市長らが出席した。またポルト・アレグレからは南日伯援護協会の樋渡ミルトン会長ら十数人が来訪した。
舞台では同移住地の桜太鼓グループ、パラグアイの鼓太郎会などが太鼓の演奏を披露。その他、踊り、武術の発表などが行われた。
東屋では茶の湯の実演と試飲、剣道場内では生け花や日本の伝統工芸品などが展示され、書道の実演販売も行われた。八角堂では原爆被爆者である小川渡さんの講話があり、広島原爆資料館より寄贈された原爆ボスターが展示された。
予想を大きく上回る人出となったため、用意していた食事や売店出品物はほとんど完売し、担当者らからは嬉しい悲鳴が上がった。また、超大型種の梨「アスカ」の今年の出品数が少なく、あっという間に完売した。
園内には山桜のほか各種つつじ、藤、シャクナゲ、金木犀、紫木蓮、コデマリなどが咲き乱れ散策する来場者の目を楽しませた。
木村総領事は、「ポルト・アレグレ時代からラーモス移住地に訪れるたびに驚かされることばかり。ブラジルでは見たことがない大きなリンゴやメロンと間違えるくらいの巨大梨「アスカ」もあった」と語った。
また、人口3千人に満たない同市で、4千人を越える来場者数を記録したイベントを開催したことに驚きを示し、「ラーモス移住地の皆様にはチロ・オ・シャペウ(脱帽)。同移住地はこれからもずっと私を驚かせ続けてくれることでしょう」として今後に期待を寄せた。