去年在伯沖縄青年協会着伯25周年を迎え、その記念事業の一つとして子弟の訪日研修団(32名)を派遣しました。
それは私たちの祖先の国を子孫に伝え知らせ、そして日本、そして沖縄の優れた文化、教育、産業、経済等を紹介し、更に親族の方々と直に親交を深めさせ、将来彼等が日本(沖縄)とブラジルとのパイプ役ともなれば….との趣旨目的で企画されたようですが、彼等にとってより以上の成果を上げ、送り出した方も送られた方も共に大変満足し、「今後も2、3年毎に続けて欲しい」との声が多く、84年にもまた計画がなされているらしい。
私の息子も去年の訪日研修団の一人でありましたが、あちこちと広い(アメリカ、ハワイ、日本)国々を見聞、日本(沖縄)のすぐれた文化、高度の発展振りを直下に見、そしてまた偉い方々のすばらしい教訓等を受け、えがたい幾多のものを修得し、直接間接多大な成果を得て帰省しております。
私も息子をその機会に浴した事に大へん満足し、それを計画された青年協会の皆さんに感謝の気持で一杯です。
研修旅行の息子の感想は「日本の高度の発展振りにおどろいた。そしてまた親戚が大変多いこともびっくりした。それに何処へいっても愛情に満ちた大歓迎を受けたことに何とも云えない感謝の気持で一杯だった。
見る物、聞くものすべて自分の勉強になり本当に最高の研修旅行だった」、と誇らしげに語るのであります。
そしてある有識者より、「貴方たちのお父さん方は偉い。ほんとに素晴らしい。『このような狭い日本(沖縄)より、あの広い南米大陸で子供たちをのびのびと育てたい』という考えでその目をブラジルへ向けて渡ったんだよ。
だから貴方たちは大いにお父さん方へ感謝しなければいけない。そしてまた(日本や沖縄の良さをいろいろと話し)そのような立派な国の子孫である、ということを何時も念頭において今後ブラジル国家のため、しっかりと頑張ってもらいたい。』と云うことを話したが、どの程度理解出来たか?」、という手紙も共に寄せて下さいました。
このようにして子弟たちは、彼等なりにそれを理解し感激したようで、息子もその後の行動が一変し、弟や妹たちに「パパやママには、はるかに日本の方が良かったんだよ。
しかし私たちの為にブラジルへ来てこのような仕事をしているのだ。だから私たちはうんと頑張って必ずパパやママを楽にさせなければいけないよ」と云い聞かせていると云うのです。
後で下の子供たちが口々に私に告げるので知ったことですが….。このようにしてわずか1ヶ月そこそこの短い研修旅行ではありましたが、彼等はその広い見聞で、親がくどくどと話さなくとも自ら親の有難さ、親への感謝、そして今後の進路の方向づけ等をも悟ってくれたのであります。
それこそ、生きた教育のチャンスを与え、ほんとに計り知れない程の収穫だった、と頼もしく思うのであります。