サンパウロ州のデータ分析システム基金とサンパウロ州交通安全運動が、同州の州道で起きた交通事故による損失額は49億レアルに上るとの試算結果を発表したと20日付現地紙が報じた。
交通事故情報監視システムなどのデータによると、同州で2016年に起きた州道での事故は約7万件に及び、負傷者の治療費や死亡した人が生存していれば得たであろう収入、車の修理費などを総合した損失額は、49億レアルになると試算されている。
最も大きいのは個々人に関わる損失の27億レアルで、死体の回収費や負傷者の救出と移送費、入院費や治療費といった具体的な費用と共に、死亡した人の年齢から割り出した平均余命に基づく収入見込み額などが盛り込まれている。
また、壊れた車の時価や車の修理費、道路などが破損した場合の修理費などは、20億レアルを超えるという。差額の2億レアル弱はそれ以外の諸経費だ。
これらの費用や損失額は、2006年に応用経済調査院(Ipea)が行った調査で明らかになった、全国の交通事故の実態とそれぞれの事故でかかった経費、平均の入院期間などのデータと、サンパウロ州内の交通事故の実態を占めるデータを総合して算出された。
サンパウロ州道では、今年の上半期(1~6月)に起きた交通事故での死者が896人に上っている。
死者が最も多かったのはヅットラ街道の116人で、以下、アニャンゲーラ道62人、マレシャル・ロンドン道60人、ラポーゾ・タヴァーレス道48人、プレジデンテ・カステロ・ブランコ道44人、コネゴ・ドミニコ・ランゴニ道43人、ワシントン・ルイス道41人などとなっている。
これら以外の州道での死者は20~30人台だが、いずれの場合も、車の整備や道路の整備、速度遵守といった諸条件で防ぎ得る事故が多く、ハンドルを握る人達の意識の向上なども求められている。
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