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《ブラジル》16年の農産物生産は?=収量減だが生産額が増える例も

 ブラジル地理統計院(IBGE)が、21日に2016年度の農産物の生産状況を発表した。
 それによると、綿花の生産は2年連続で減り、16年の収量は前年比13・6%減の3・5トンだった。棉の植付面積は99万6200ヘクタールだった。綿花減産は、国内2大産地のマット・グロッソ州とバイーア州が、エル・ニーニョ現象による干ばつに悩まされた事が響いたと見られている。市単位での生産量1位のマット・グロッソ州サペザルは、干ばつの影響が小さく、生産量が18・1%伸びたが、生産量2位のバイーア州サンデジデリオは、収量が27・3%減少した。
 米の生産量は、前年比13・7%減の1060万トンだった。米の生産の80・4%はブラジル南部に集中しており、リオ・グランデ・ド・スル州では、全国の収量の70・5%に相当する750万トンを生産した。
 昨年の米の生産額は87億レアルで、前年より1%増えた。米の生産量1位は、リオ・グランデ・ド・スル州のウルグアイアナ市の67万8300トンだが、昨年は前年比9・8%の減産となっている。
 コーヒーは2年周期の増産期にあたり、生産量は15年比14%増の300万トンに至った。昨年の生産量は2012年の330万トンに次ぐ歴代2位。生産額は前年比34・6%増の214億レアルだった。コーヒーの生産量の84・4%(250万トン)はアラビカ種が占めている。
 州別の生産額1位はミナス・ジェライス州で、高地で気温が低めの南西部を中心にアラビカ種の栽培が盛んだ。昨年の収量は前年比36・3%増の180万トンだった。自治体単位の生産額トップ20の内、13はミナス州にあり、全国1位のパトロシニオ市では9万1700トンを生産、6億8750万レアルの収益を得た。州別生産額2位のエスピリトサント州では、低地で気温が高めの地域で、アラビカ種以外の種類のコーヒーを栽培している。
 サトウキビの生産量は前年比2・5%増の7億6870万トンで、作付面積は1・1%増の1020万ヘクタール、生産額は18・3%増の516億レアルだった。
 南東部では、全国の生産量の67・3%に相当する5億1760万トンを生産。生産量1位はサンパウロ州で、16年は前年比4・5%増の4億4230万トンを生産し、276億レアルの収益をあげた。同州の収量は全国の生産量の57・5%を占めた。
 2位のゴイアス州は、前年比1・4%減の7110万トンを生産、59億レアルの収益を得た。同州では全国の生産量の9・2%を生産した。
 自治体別では、南マット・グロッソ州のリオ・ブリリャンテが850万トンを生産、生産額は6億2920万レアルだった。2位はサンパウロ州のモーロ・アグードで、790万トンを生産し、5億120万レアルの収益をあげた。
 フェイジョン豆の生産量もエル・ニーニョ現象の影響を受け、前年比15・4%減の261万トンで終わったが、生産額は61・5%増の97億レアルだった。干ばつや大雨による減産で、60キロ入りの袋が55レアルを超える価格高騰も起きた。
 フェイジョン豆の生産量1位はパラナ州で、全国の生産量の22・6%にあたる59万300トンを生産、18億レアルの収益をあげた。ミナス州は全国の20%、ゴイアス州は同12・6%を生産した。市単位では、サンパウロ州イタペヴァの8万6千トンが1位で、2億2905万レアルの収益を得た。
 トウモロコシはエル・ニーニョの影響を強く受け、2期あわせても、前年比24・8%減の6140万トンで終わった。影響が特に大きかったのは生産量の61・9%を占める第2期で、29・5%の減収となった。
 だが、生産額は前年比26・5%増の377億レアルで、通常なら1俵10~20レアルのところが、昨年は一時53・91レアルに達した。
 トウモロコシ生産は中西部が中心で、収量トップのマット・グロッソ州では、28・2%の減産だったにも関わらず、1530万トンを生産し、77億レアルの収益を得た。市単位の生産1位は同州のソリーゾで、生産量は前年比30%減の183万トンだったが、生産額は8億9140万レアルだった。
 大豆の生産量は前年比1・2%減の9630万トンだったが、生産額は3%増の1049億レアルに達した。主要産地はマット・グロッソ、パラナ、リオ・グランデ・ド・スルの3州で、これら3州が全国の生産量の61・8%を占めた。
 州別生産量1位はマット・グロッソで2630万トンを生産し、275億レアルの収益を得た。市単位のトップはやはり同州のソリーゾで、170万トンを生産、19億レアルの収益をあげた。(21日付アジェンシア・ブラジルより)

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