ブラジル・トヨタが25日、新型モデルのYuris製造のため、サンパウロ州内の2工場に16億レアルの投資を行うと発表したと26日付現地紙が報じた。
Yurisは既に、中国や台湾、タイ、フランスで販売されており、同社のコンパクトカーEtiosとセダンのカローラの中間種だ。ブラジルで製造・販売されるのは、今後発表される新型モデルで、製造と販売は2018年下半期に開始の予定だ。同車の競合車種はフォルクスワーゲンの新型PoloやVirtus、HondaのFitなどだ。
Yurisの製造はソロカバ工場で行われ、製造に必要な資材や機器整備のために10億レアルが投じられる。ソロカバ工場では現在、Etiosを製造している。
また、Yuris用のエンジンを製造するポルト・フェリス工場にも6億レアルが投入される。同工場のエンジン製造能力は年間10万8千基だが、2019年下半期からは17万4千基を製造するようになるという。
今回の大型投資の発表は、新しい製造ライン開設で増設されたポルト・フェリス工場の新社屋落成式の場で行われた。式典には、ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事とイゴル・カウヴェット通商開発相も出席した。
ブラジルトヨタのラファエル・シャング社長は、2016年5月に操業を開始したポルト・フェリス工場は、世界中のトヨタの工場の中でも最も近代的だと賞賛。さらに「リセッション(景気後退)で自動車製造業界が苦戦する間も、同社では1人も解雇しなかった」と強調した。ブラジル・トヨタはブラジル国内に4工場を有し、5850人が働いている。この数は、新型モデル導入で、さらに500人増える見込みだ。
Yurisの製造・販売はハッチ型で始まり、その後にセダンもお目見えする。エンジンは1・5~1・8馬力で、ガソリンとアルコール併用型のフレックスタイプだ。
ブラジル・トヨタは2012年以降、42億レアルの投資を行っているが、今回の投資は、国内市場の回復を見込んだものだ。同社は1~8月、昨年同期比3%の12万3千台を販売し、2012年は3・1%だったシェアを8・6%に増やした。
全国自動車工業会によると、今年1~8月の自動車販売は昨年同期比で5・3%伸びた。乗用車と軽量商用車に限れば、5・9%増の138万2千台だ。同会は9月始めに、今年の自動車販売台数の予想を、前回発表の昨年比4%増から、7・3%増の220万台に引き上げた。昨年の自動車販売は前年比11・2%減で、2014年の実績まで落ち込んでいた。
同業界では、Man10億レアル、フォルクスワーゲン26億レアル、ジェネラル・モーターズ45億レアルなどの投資