ルーラ、ジウマ政権の主要閣僚で、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)被告のアントニオ・パロッシ氏が、結党時から所属していた労働者党(PT)に離党届を提出し、厳しいPT批判も行った。27日付現地紙が報じている。
26日でパラナ州連邦警察に逮捕されてちょうど1年を迎えたパロッシ氏は、この日にPT現党首のグレイシ・ホフマン氏に離党届を提出した。
パロッシ氏は6日にパラナ州連邦地裁で行われた公判で、ルーラ氏がオデブレヒト社と「3億レアルの贈収賄計画の約束を交わした」との爆弾発言を行い、同党内外で波紋が広がっていた。
ルーラ氏は公判後、自政権で財相もつとめ、一時は後継者の最右翼とも言われたパロッシ氏のことを「冷血な嘘つき」と罵倒。同氏が所属していたPTのサンパウロ州リベイロン・プレット支部も、党中央部から、パロッシ氏を追放するよう、圧力をかけられていた。
このことに関し、パロッシ氏は離党届の中で「PTはいつも党や党内の有力者を批判した人を責め、汚職で告発された人や汚職そのものを無視する」と批判した。
またパロッシ氏はルーラ氏を「小さな田舎者」と称し、ブラジルの政治を最低レベルに貶めたとした上、「亡き妻に責任をなすりつけようとしている」と痛烈に批判した。
パロッシ氏は、PTはルーラ氏の下で成長したが、同時にモラルを失ったと指摘。PTは「自称〃この国で一番正直な男〃を崇めるだけの宗教団体だ」と皮肉った。
また、初代官房長官として仕えたジウマ前大統領にも批判の矢を向け、「ブラジルの社会福祉システムと経済を崩壊させた罪は重い」と批判した。
同氏の離党は、PT2政権での汚職の数々を暴露する内容の手記を受け取ったグレイシ党首の判断にかかっている。これまでの経緯に加え、今回の離党届もルーラ氏の18年大統領選出馬を不利にすると見られることから、離党は決定的だ。
パロッシ氏は連邦検察庁との間で司法取引の交渉中であることも明記しており、今後もルーラ氏やPTに不利なことを暴露すると見られている。