2日午後、日本の知人が、コラム子のフェイスブック上の友人に誤って友人申請を送ったら、ポルトガル語で返信してきたから、日本語と英語しかわからないと連絡したが、やっぱりポルトガル語の文書が来た、何とかできないか、と相談してきた▼知人には「週末に会うからその時伝える」と答えたが、知人だけに送った文書とは思えず。念のため、送ってきた時期と内容を訊いたら、文書が送られてきたのは9月末で、ガン治療でカツラを使い始めた人への支援を訴えるものとピンクリボンに関するものの2点と答えてきた▼ポルトガル語はわからないと言いつつ、内容はとらえていた様子は流石だが、10月は世界中で乳ガンの早期発見などを呼びかけるピンクリボン月間だ。ブラジルでは「バラ色の10月」という表現が使われ、ピンクのリボンをつけて歩く人や、乳ガンに関する報道も多くなる▼むろん、乳ガンの発生は年間を通じた事で、早期発見が大切である事も常に言われているが、啓蒙活動が年に1回繰り返される意味は大きい。ピンクリボン運動は1990年に米国で始まり、ブラジルでも2002年から具体的な活動が始まった。この運動期間中は、大統領官邸やリオ市のキリスト像、サンパウロ市イビラプエラ公園の彫像といった、著名な場所や彫像にピンクの照明を当てて、関心を呼び起こす事も恒例行事化している▼ガン患者や家族の苦しみは様々だが、乳ガンの場合、手術後のシルエットの変化で悩んでいた人が手製の詰め物を量産し、多くの人に新しい希望や慰めを与えた話や、カツラ用に髪の毛を寄贈した話なども聞く。早期発見を呼びかけると共に、患者や経験者との体験共有や、支援活動の拡大も願いたい。(み)