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ロシア企業がサンパウロ州のヴィラコッポス空港買収に動く=入札を避けた経営権取得目指す

カンピーナス市のヴィラコッポス空港(Luiz Granzotto/Prefeitura de Campinas)

カンピーナス市のヴィラコッポス空港(Luiz Granzotto/Prefeitura de Campinas)

 ロシアの投資ファンドVTBキャピタルが、サンパウロ州カンピーナス市のヴィラコッポス空港の買収を検討していると、5日付現地紙が報じた。
 同空港の運営会社のアエロポルトス・ブラジル社が今年7月に運営権をブラジル政府に返却する意思を示したため、同空港は現在、政府のインフラ設備経営権委託計画リストに含まれている。
 VTBキャピタルを所有するVTBグループは、ロシアやドイツ、ギリシャの企業と共に、ロシアのサンクトペテルスブルグ空港の経営に参画している。
 同空港がVTBへ売却されるためには、先ず、空港運営権が政府へ返却されなくてはならないが、その手続きの規定も決まっていない。
 VTB側は、「アエロポルトス・ブラジル社から連邦政府への運営権返却と、その後の公開入札」の手順を踏むことなく、運営権を取得する事を狙っている。
 この経営権売却が実現すれば、今年7月に起きた(民間航空監督庁・Anacの承認は9月)、リオのガレオン空港を運営していたリオガレオン社の株式が、オデブレヒト・トランスポルト社から中国海航集団に売却されたのと類似のケースとなる。
 ヴィラコッポス空港は、ジウマ政権時の2012年に、アエロポルトス・ブラジル社によって38億レアルで落札された。政府への返却が正式に成立すると、一度民営化されながら、落札企業が政府に返却した最初の事例となる。
 Anacは同件に関して、まだ何の正式な要請も受け取っていないと答えている。