この労働改革は、ブラジルにおける様々な労使関係に大きな変化をもたらすでしょう。企業にとっては、この法改正を満たす上で必要となる社内ポリシー、リスク防止等を含む調整が課題となります。これらは、多くの変更を含むトピックであるため、いくつかの重要な点をここで見ていきたいと思います。
◎経済集合体 ?これは、ブラジル法の中でも非常にユニークであり、経済集合体として構成するために必要なのは単なるパートナーのアイデンティティのみではなく、これを設定化するためには:(i)実質的な支配権又は事業間の連携、(ii) 出資者全員共通の関心度、(iii)常に協同一致で行動する。これらの条件は累積的で個別に考慮することはできません。
◎効果的な業務 – 従業員は、労働時間前とその後の以下の活動は労働時間として見做されません:(i)宗教活動、(ii)休憩、(iii)余暇、(iv)勉強、(v)食事、(vi)社会活動、(vii)個人衛生、(viii)会社で着替える義務または制服で無い場合 。
新しい法律では従業員が選択した他の活動もこのロールに含むことができます。
◎通勤 ? 従業員・労働者が自宅から通勤先又は帰宅に費やす通勤使用時間は、徒歩であり、どの交通手段であり(雇用者によって交通手段が提供されているものも含む)、勤務時間として見做されません。
◎在宅勤務(ホームオフィス) – ホームオフィスは主に雇用者敷地内での作業でなく、IT通信技術を使用した在宅勤務・作業活動についてをいいます。この形式は、従業員によって行われる活動が明確に指定されます。当事者間の合意が雇用契約に含まれる必要があります。雇用契約には在宅勤務で行われる作業・活動が詳細に含まれる必要があります。
一方、勤務形式変更を行う場合、最低15日間の対応期間が保証されます。この期間中遠隔勤務に欠かせないIT機器、メンテナンス、必要資材、インフラ機材購入、従業員への払戻等契約に含まれており、これらは従業員の報酬には含まれていません。
◎給与 ? 通常どおり、費用控除として支払われる金額は以下:(i)費用補助、(ii)食費援助、現金支払い不可、(iii)旅費。 (iv)賞(v)手当やボーナス及び日当は労働者の報酬の一部として見做されません。これらは雇用契約に組み込まれていない上、労働及び社会保障負担のベースとして雇用契約に含まれていません。
賞とは雇用者がサービス、商品または現金の形で活動パフォーマンスの好結果として従業員に付与されるものです。
◎給与(2) – 医療サービス又は歯科サービスを使用して支払った薬、眼鏡、整形外科用装置、義肢、装具、医療や病院等の費用は付与された場合でも従業員の給与の一部として見做されません。拠出年金の一部でも社会貢献課税(INSS)計算にも含まれません。
◎労働組合費ー企業及び自由業又は該当する様々な職種の組合参加者には明示的に承認されている場合のみ支払いが義務付けらます。
◎雇用契約の終了- 雇用契約は、従業員と雇用主間の合意によって終了することができます。この場合、(i)補償される場合、解雇予告通知、(ii)勤続期間補償基金FGTSの残高補償(罰金40%)は半額支払い、iii)その他労働関連の総額は全額支払われます。この契約終了に関する法は、FGTS預金口座総額の80%まで自由に移動可能ですが、失業保険プログラムへの参加は許可されていません。
◎交渉可能事項 ? 団体協約又は労働団体協定等は以下事項に関連するものであれば、法律上交渉可能である。
・憲法で定められているものに関しての労働時間、
・年間アワーバンク(個人協定であり明記されたもので6カ月以内に補償される場合)、
・休憩、食事の時間、
・従業員給与役職プラン、キャリアプラン、役職及び条件に該当するカテゴリー設定。
・会社規制、
・職場にて労働者代表選定の場合、
・ホームオフィス、待機拘束制度、断続的労働制度、
・生産性による報酬、チップ及び個人パフォーマンスによる報酬、
・様々な労働時間記録方法、
・不健全度の適格化、
・労働当局から無許可で不健全環境での労働時間延長、
・商品やサービスの形でのインセンティブ(インセンティブプログラムの等)付与、
・従業員への利益分配制度。
◎アウトソーシング (1)- 第三者へのサービス提供とは、企業目的活動を含むあらゆる分野の活動を経済的能力及び互換性のある法人へのサービス提供の移転契約と見做されます。
◎アウトソーシング(2) -雇用契約の有無を問わず所有者またはパートナーが過去18か月の期間にサービス提供者だった場合、その法人企業は、サービス提供者となることはできません。
しかし、その所有者またはパートナーが定年退職者の場合のみ、サービス提供者となることが可能です。解雇されて18カ月の期間が経過しなければ同企業でサービス提供者として業務提供をすることはできません。同様に解雇された従業員は解雇から18カ月が経過するまで、サービス提供者側の従業員としてサービス提供をすることはできません。
法律13467/2017の発効日である2017年11月から、労働改革は企業の日々の活動に多くの疑問や問題をもたらし、ルーティン、プロセス、追加文書、改訂版、システム、さらにはeSocialとEFDREINF環境の面からも再評価されることが推察されます。PwCブラジルの労働専門チームはすべての分野において対応することが可能です。
(問い合わせ連絡先はマルセル コルデイロ=marcel.cordeiro@pwc.com、カロリーナ・坂間=carolina.sakama@pwc.com
※この記事は、ブラジルにおける法令等の改正動向等をお知らせするため発行されたものであり、一般情報の提供を主たる目的としていますので、個別ケースに対する専門的アドバイスとして、ご利用頂けない場合がございますのであらかじめご了承下さい)