ダッタフォーリャの最新の世論調査でジョアン・ドリア・サンパウロ市市長(民主社会党・PSDB)の支持率が大きく低下したことがわかった。大統領選を意識した国内外の旅行が響いた形となっている。8、9日付現地紙が報じている。
今回のアンケートは、4日と5日に、サンパウロ市在住の16歳以上の市民1092人を対象に行ったものだ。
それによると、ドリア市政に対し「よい/最良」と答えた人は、前回6月の41%から9%ポイントダウンの32%となった。その一方、「普通」が34%から40%に増え、初めて「よい」を上回った。一方、「悪い」も22%から26%に伸びている。
ドリア市長はこの結果を、自身が頻繁に攻撃を繰り返している労働者党(PT)のせいだとしている。だが、メディアの見方はそうではなく、ドリア氏が大統領選を視野に入れた国内外の旅行を問題視している。
今回の調査ではそこを問う質問も行われた。まず、「市長の旅行の頻度について」では、市民の50%が「必要以上」だと感じている。さらに、それが「市に益をもたらす」と感じている人は35%で「害をもたらす」の49%を下回った。
また、この旅行が「市長自身に益をもたらす」と考えている人は77%に達していることから、「市長としての行動より個人活動」と解釈している人が多い様子がうかがわれる。
さらに「市長の仕事を継続してほしい」と望んでいる人は6月の55%から58%に伸び、「市長としての期待を下回っている」も53%から64%に大きく伸びた。
また、ドリア氏が大統領選に出馬することに関しても、4月には26%の人が「大統領選に出馬したら票を入れたい」と答えていたが、10月には18%に減り、サンパウロ州知事候補としても、4月には32%の人が「投票したい」と答えていたのに、26%に減った。
「PSDBからの大統領選候補は?」との質問で1位になったのは、ドリア氏の政界進出の恩人でもあるジェラウド・アウキミン・サンパウロ州知事で、45%を獲得。ドリア氏の31%を大きく上回っていることもわかった。
PSDB副党首で、ジョゼ・セーラ氏が2010年にPSDBの候補として大統領選に出馬した際に同氏の後任としてサンパウロ州知事もつとめたアルベルト・ゴールドマン氏は6日、「ドリア氏はまだサンパウロ市市長とさえ呼べる存在ではない」と強く批判。これに対し、ドリア氏は7日に発表したビデオで「ゴールドマン氏は非生産的な失敗者」と痛烈な反論を行った。
ゴールドマン氏が同日中に新たに反論したことで、7日夜は双方の支持者によるネット上の論争も繰り広げられた。