11日、最高裁が、実際の審理を行う前の予備的措置として連邦議員に停職などの処分を下した場合、その実行には議会の承認が必要であることを決めた。同件の審理は大接戦で、最後にカルメン・ルシア長官が1票を投じた結果、6対5で決まった。13日付現地紙が報じている。
今回の審理は、9月26日に最高裁第1小法廷がアエシオ・ネーヴェス氏に下した、収賄容疑での停職ならびにパスポート没収と夜間外出禁止などの予備処分に対し、上院が異議申し立てを行ったことに端を発した。
実際の審理は、2016年に進歩党(PP)、キリスト教社会党(PSC)、連帯(SD)が提出した、「現行犯逮捕以外の事由で、連邦議員に停職などの予備的措置が科された場合、その措置の適用の可否は議会が24時間以内に決定できることとする」という憲法違反行為〈ADI〉の審理として行われた。
今回の報告官は、最高裁でのラヴァ・ジャット作戦の報告官でもあるエジソン・ファキン判事が務めた。同判事は、この請求を却下し、最高裁側の判断に対する議会の承認は不要と主張した。
ファキン判事の主張には、ルイス・ロベルト・バローゾ、ローザ・ウェベル、ルイス・フクス、セウソ・デ・メロの5判事が従った。
一方、アレッシャンドレ・デ・モラエス判事は、憲法上、議員には予備拘留は適用されないため、「夜間外出禁止やパスポート提出などの予備拘留に変わる措置を議員に適用するのは憲法の原則に反する」との意見を述べた。
ただし、同判事は、ディアス・トフォリ判事が出した「最高裁は職責停止などの予備拘留に代わる措置を科すことができるが、措置を適用するか否かの最終判断は議会が下せるようにしてはどうか」との提案には賛成した。同案に賛同したのは、モラエス、リカルド・レヴァンドウスキー、マルコ・アウレーリオ・メロ、ジウマール・メンデスの5人の判事が賛同した。
これにより、決定はカルメン・ルシア長官に託されることになった。同長官はファキン判事の見解に理解を示しつつも、「議会側の判断は不要とし、最高裁が科した措置について論議する機会すら与えない、という点には同意しかねる」と反論したため、結局6対5で議会が最終判断を行うことになった。
さらに、「最高裁は議員に対する予備的措置を科することはできるが、措置適用に関する最終決定権は議会が持つ」という案に関する投票では、ファキン判事以外の10人が賛同した。
この結果、上院は17日にアエシオ氏の上院停職を受け入れるか否かを話し合うことになった。最高裁での投票はアエシオ氏に有利に働いたように見える。ただ、ここに来て、当初は停職に反対していた労働者党(PT)が反旗を翻し始めたと報じられており、楽観できない状態だという。