コンゴーニャス空港につながるサンパウロ市モノレール17号線の完成が大きく遅れているのは周知の事実だが、運営区間が大幅に短縮され、収益率も悪くなるなどの問題が発生していると、19日付現地紙が報じている。
12年に着工した17号線は、モルンビ・スタジアムが14年のW杯会場となるという前提で構想がたてられた。
だが、会場変更と工事の遅れで、当初予定されていた、地下鉄1号線の南の終点であるジャバクアラ駅から17号線のコンゴーニャス駅の隣駅として建設中のジャルジン・アエロポルト駅までの間の4駅、さらに、CPTM9号線と連結するモルンビ駅から地下鉄4号線のサンパウロ・モルンビ駅(19年完成予定)の間の5駅の建設が中止された。
こうして、当初18駅だったモノレールは8駅のみとなった上、完成予定は2019年12月。その分、見込まれる乗客数も大幅に減る。
そのしわ寄せは、17号線の収益見込みや、工事と運営を担当する企業の入札規定に表れることになった。通常の地下鉄やCPTMの運賃は3・80レアルだが、州政府の試算では17号線の運営経費は乗客1人あたり6・71レアルで、完全な赤字路線になる。
このため、州政府は、17号線の民営化(民間委託)を収益性の高い地下鉄5号線と組み合わせて行うべく、州会計局に申請している。ちなみに、地下鉄4号線の運営経費は1人あたり4・03レアルだ。