【既報関連】8月に続き、9月の税収もインフレ率以上に増加する可能性があり、連邦政府が来年に繰り越す予定だった支出の一部を年内に払う事が可能になりそうだと19日付現地紙が報じた。
8月の税収が昨年同月比で10・78%増え、1042億レアルとなった事は、9月20日に国税庁が発表済みだ。この伸び率は、広範囲消費者物価指数(IPCA)を差し引いた実質的なもので、1~8月の累積税収も昨年同期比で実質1・73%増えている。
9月の税収はまだ発表されていないが、下院の予算・監査部が連邦行政関係情報一貫化システム(Siafi)のデータから立てた予想では、9月も昨年同月比6%の増収と見込まれている。
7月までは昨年の税収を下回っていたのに、8~9月と連続してインフレ率以上の増収が見込まれる状況は、滞納税回収計画(Refis)による税収増と、工業製品税(IPI)や社会保険融資納付金(Cofins)の増収を反映したものだという。IPIやCofinsは、経済活動のバロメーターといわれており、財務省担当者も9月の税収が3%台の伸びを記録する可能性を口にしているという。
下院の予算・監査部では、8~9月はRefisによる増収もあり、インフレ率や政府の経済スタッフの予想を上回る税収があった事が、経済活動の急速な回復を示すとは言い難いと見ている。
ジオゴ・オリヴェイラ企画相はこれに対し、滞納税の支払額は当初、88億レアルと予想されていたのに、現在までに支払われた額は100億レアル近く、Refisの基準変更後も、政府が予想していた回収額を上回る事は確実だとの見解を明らかにした。
政府の経済スタッフは既に増収分の使い道を検討し始めており、実施済みまたは契約済みの事業費などの支払や、新たな事業契約締結が検討されているという。
財務省の経済政策局長を務めた経験もあるマノエル・ピレス氏は、来年4月以降の議会の関心は選挙に集中するため、出来るだけ、前年から持ち越す経費の支払を済ませた方が賢明と見ている。