下院憲政委員会(CCJ)は18日、報告官をつとめたボニファシオ・デ・アンドラーダ下議(民主社会党・PSDB)が提出した、「テメル大統領への2度目の告発を受け付けないよう薦める」という内容の意見書を賛成多数で承認したが、7月に行われた1回目の告発審議のときより賛成票が落ちた。19日付現地紙が報じている。
今回の告発は、テメル大統領が、ペトロブラスや連邦貯蓄銀行などで民主運動党(PMDB)下院部門が行った汚職工作を率い、国に5870万レアルの損害をもたらした容疑と、JBS社主のジョエズレイ・バチスタ氏らに、エドゥアルド・クーニャ前下院議長(逮捕中)たちへの口封じ金を払わせて、捜査妨害をはかっていた容疑に関するものだ。
最初の汚職工作容疑に関しては、テメル大統領のみならず、エリゼウ・パジーリャ官房長官、モレイラ・フランコ大統領府事務局長官も告発の対象となっていた。
18日に行われたボニファシオ報告官の意見書に対するCCJ委員の投票は、39対26票(棄権1)で意見書承認という結果となり、CCJではテメル大統領への告発に対する最高裁での審理は薦めないことになった。
だが、最初の告発について審議した7月は、パウロ・アビ・アケル下議が提出した審理継続拒否を呼びかける意見書が41対24で承認されたのに比べると、テメル大統領への賛同票は落ちた。
賛同票の減少を導いたのは、投票当日になってCCJ委員2人を交代させたブラジル社会党(PSB)で、同党の2人が審理継続に賛成したため、前回の得票数からマイナス2となった。
PSBは現政権との連立関係が微妙だったが、今回の投票では4人の委員が全員、意見書に反対する票を投じた。
また、同じく連立が微妙な状況にあるPSDBも、8人中5人が反対票を投じるなど、状況は思わしくない。
一方、初回告発時もテメル大統領を助ける立場となった、クーニャ前下院議長の会派「セントロン」系列の政党、進歩党(PP)、共和党(PR)、社会民主党(PSD)、ブラジル共和党(PRB)、ブラジル労働党(PTB)の委員は全員賛成票を投じ、結束の強さをうかがわせた。
だが、25日に行われる予定の、下院本会議での投票はこれより厳しくなるだろうと予想されている。その理由は、セントロン系の政党の中に、「前回の告発では忠誠を誓って協力したのに、役職などの見返りがなかった」「謀反を起こした議員への具体的な処罰が行われていない」といった不満があり、セントロンといえども、一枚岩にはならないのではないかと見られているためだ。