10月12日の「子供の日」とその前後の小売販売が昨年同期比で2・7%伸び、景気回復の気配が強まってきた事で、工業界や小業界でクリスマス商戦への期待が広がっている。
クリスマス商戦や歳末商戦の行方を占うにはまだ早いが、サンパウロ市内の商業地区では、子供の日の連休に同地区を訪れた買物客の動向から、2年連続で前年実績を下回っていたクリスマス商戦が、今年は回復に向かうとの手応えをより確かなものとしたという。
服飾品の卸問屋が多いボン・レチーロ地区の商店主組合会長のネウソン・トランケズ氏は、子供の日の連休は「今年に入ってから最も順調な連休だった」と評価した。
サンパウロ州商業連盟のエコノミスト、エミリオ・アウフィエリ氏によると、同連盟の9月の信頼感指数は7ポイント改善しているという。
ボン・レチーロで買った服を、サントスなどの海岸部の町で売りさばいているマルシア・トゥル氏も13日、沢山の品物で膨れ上がった袋を手に同地区を歩き回った一人だ。「2015年以降の売上は半分に落ちたけど、お客からの注文が増え始めているから、年末に向けて、売上が伸びると信じている」と彼女は言う。
サンパウロ大都市圏のモジ・ダス・クルーゼス市で店を構えるエスメラウダ・ロドリゲス氏は、同じように卸問屋が集まるブラス地区に出向き、クリスマス用の商品を買い込み過ぎ、持参した買物車が壊れてしまったという。
ショッピングセンター商店主協会のルイス・アウグスト・イウデフォンソ氏は、インフレが抑制されている事と経済基本金利が低くなってきている事が、購買増に繋がっていると見ている。
ただ、景気後退が始まる前ほどは雇用が回復していないため、15、16年同様、小額の品を中心とした「記念品」的なプレゼントが多いクリスマスとなるとの見方も強いようだ。
卸と小売の両方を含んだブラス区の商店主協会会長のグスターヴォ・デジヴィチス氏も、「購買金額の平均はここ数年で大幅に低下しており、今年、急激に増額するとは思えない」と言う。
だが、ショッピングセンターでは15年は前年比8・67%、16年は同9・11%の売上減少を見た後だけに、今年のクリスマス商戦の業績回復に期待する声は、工業界、小業界共に高まっている。(22日付フォーリャ紙などより)