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《ブラジル》奴隷労働の規制緩和差し止めに=最高裁判事が違憲と判断=最終決着は最高裁の大法廷で

 【既報関連】ローザ・ウェベル最高裁判事は24日、野党の持続ネットワーク(Rede)が出していた、「政府が16日に出した、奴隷労働の定義、監査、罰則規定を緩和する命令は憲法に反する」との訴えを受け入れ、政府の命令の実効性を一時差し止める暫定令を出したと、同日付現地紙各紙電子版・サイトが報じた。
 「政府の命令は、奴隷労働の抑制や予防、奴隷労働を強いられた被害者への補償を定めてきた既存の法律の範囲、効力に強く影響し、奴隷労働と対峙してきたこれまでの政治的成果を損なう危険性が高い」とウェベル判事は述べた。
 「政府命令は憲法違反」との訴えは、Redeの他、全国自由職業連合(CNPL)も出しており、ウェベル判事が同件の報告官を務めることになっていた。同件は今後、最高裁大法廷にかけられ、判事11人によって審理される。
 大法廷での結論が出るまでは、ウェベル判事の出した暫定令が有効となる。大法廷の実施期限はなく、日程決定権はカルメン・ルシア長官に委ねられている。
 政府が出した奴隷労働規制緩和の命令は、発表直後から、国際労働機関(ILO)の基準に反するなどと、国内外から大きな批判を浴びていた。先週は国連も、政府の命令に対する懸念を表明する文書を発表している。24日にはラケル・ドッジ検察庁長官が再度、奴隷労働問題が規制緩和で退行したとの見解を表明していた。