【既報関連】サンパウロ市北部のオルト・フロレスタル公園で黄熱病に感染した猿の死体が見つかって以来、同市北部の公園封鎖や予防接種などの黄熱病対策が続いている。公園封鎖は同市北部の15公園に及び、この週末は、土、日曜日も予防接種を行うと26、27日付現地紙、サイトが報じた。
サンパウロ市内で閉鎖されたのは、州立のオルト・フロレスタル、カンタレイラの2公園と市立のアニャンゲーラ、コッレゴ・ド・ビスポ、カニヴェッテ、ピニェイリーニョ・ダグア、セニョール・ド・ヴァレ、ジャシニョ・アウベルト、ロドリゴ・デ・ガスペリ、ジャルジン・フェリシダデ、サンドミンゴス、シダーデ・デ・トロント、ライオンズ・トゥクルヴィ、セナ、テネンテ・ブリガデイロ・ファリア・リマの12公園だ。
公園同士は植生上の繋がりがあり、動物が行き来する環境上の「通路」と呼べるものがある。市役所が、猿の死体が発見されていない公園も閉鎖したのは、動物が行き来するならば、黄熱病を媒介する蚊も行き来する可能性があるためだ。
公園の大半は26日から無期閉鎖となったが、すべての公園に塀がある訳ではない上、市民にとっては庭同様の公園もあるため、閉鎖されている事を周知徹底させる事が求められている。
一方、21日に始まった予防接種キャンペーンに関しては、市役所が27日に、予防接種の実施箇所を北部にある91カ所の保健所(UBS)すべてに拡大した。キャンペーン期間は30日間とし、UBSでの対応時間も、27日からは、月~金曜日の午前7時~午後7時に拡大された。この週末も、28日は午前8時~午後5時、29日は午前8時~午後2時の各時間帯で、予防接種を受けられる。
サンパウロ市保健局によると、予防接種対象者は当面、チエテ川以北の住民と、森林、農村地帯に出かける予定のある人だ。妊婦や生後6カ月未満の子供に授乳中の女性、ガンやコルチコイドを多用する必要のある病気の治療を受けている人などは、接種を避けた方がよい。
森林地帯や農村部で黄熱病を媒介する蚊は、市街地型の黄熱病やデング熱、チクングニア熱、ジカ熱を媒介するネッタイシマカとは性質が異なるため、現時点では市街地型の黄熱病の危険性は少ない。その意味では、それ以外の地域の人が予防接種を受けなくてはと慌てる必要はないという。