ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》ブレサル油田=8鉱区の入札行われる=実施見直し命令も出たが=6鉱区落札総額約60億レアル=国際メジャーも本格参戦

《ブラジル》ブレサル油田=8鉱区の入札行われる=実施見直し命令も出たが=6鉱区落札総額約60億レアル=国際メジャーも本格参戦

フェルナンド・コエーリョ・フィーリョ鉱動力相(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil)

フェルナンド・コエーリョ・フィーリョ鉱動力相(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil)

 【既報関連】連邦政府は27日、リオ州沖カンポス盆地とサンパウロ州沖サントス盆地に存在する岩塩層下(プレサル)油田で、合わせて八つの鉱区の開発権入札を行ったと、27日付現地紙各紙・サイトが報じた。

 

 27日の入札は、アマゾナス州ペトロブラス(PB)職員組合の訴えを聞き入れた同州連邦地裁が同日未明に出した予備判決によって、いったん差し止められたが、総弁護庁(AGU)の上告により、ブラジリアの第一地域裁がこの判決を覆した。この手続きのため、入札は予定より、2時間半ほど遅れ、11時半頃に始まった。

 ブラジルは昨年、「全てのプレサル油田開発で、PBが3割以上資本参加をする事が必須」の条項を外した。これで国外企業(メジャー)が参加しやすくなった。

 だが、応札された6鉱区中、一社単独で落札できた鉱区はなく、どの鉱区も各社が共同で形成した複合企業体(コンソーシアム)が落札した。

 政府は当初、77億5千万レアルの収入と、1千億レアル規模の新規投資を見込んでいたが、8鉱区の内、3鉱区をPB参加のコンソーシアムが落札、3鉱区をPB以外の企業だけで構成されるコンソーシアムが落札。2鉱区は入札なしとなった。6鉱区の落札による政府利益は、計61億5千万レアルだった。

 鉱区を管理する石油統轄庁(ANP)が入札にかけた8鉱区の内、原油の存在が確認されていたのは4鉱区だけで、残りの鉱区は落札しても原油が発見できないリスクがあった。

 今回の入札規定では、各鉱区の開発契約時に支払うべきボーナス(落札謝礼金)の額と、採掘した原油から上がる利益の内、開発費と採掘費を差し引いた残りの何%を政府に支払うかの最低枠が設定されていた。各企業は政府に支払う割合を記して入札し、最も高い割合を提示した企業が落札した。落札謝礼金の61億計61億5千万レアルは即金、入札時に記したパーセンテージの分は将来的に政府の収入となる。

 PBが資本参加したコンソーシアムは、落札した3鉱区で、入札最低比率10~20%に対し、75~80%の比率を入札した。

 フェルナンド・コエーリョ・フィーリョ鉱動相は26日、リオで行われた米国系石油・天然ガス関連企業フェアーで、テメル大統領への告発が下院で拒否されたことを評して、「経済の行方に影を落としていた、最後の要素を取り除いた」と語っていた。

 経済情報会社IHSマークイットのリカルド・ベドレガル氏も「来年選挙後のブラジルの動向が全く予測がつかないので、今回の入札は唯一ともいえる、非常に貴重なチャンスだ」と語る。

 ロドリゴ・マイア下院議長(民主党・DEM)は、「落札謝礼金と採掘後の利益の何%」という形の入札をやめ、「単純入札の即金払い」とすることを、議会に提案する意向だ。