30日に第11回治安フォーラムが開催され、ブラジルでの2016年の殺人事件の犠牲者は6万人を超えた事や、強盗殺人事件がここ7年間で57・8%増えた事などが報告されたと同日付現地紙、サイトが報じた。
殺人事件の犠牲者は前年比3・8%増の6万1619人で、史上最高となった。これは1時間に7人が殺害された事を意味し、人口10万人あたりの殺人事件発生数(殺人事件発生率)は29・9となった。
殺人事件発生率が最も高かったのは、セルジッペ州の10万人あたり64で、リオ・グランデ・ド・ノルテが56・9、アラゴアスが55・9でそれに続く。これら3州は全て北東伯にあるが、北東伯では、サンパウロ州やリオ州、同州の麻薬密売組織の勢力争いなどで、暴力事件の増加が目立つ。また、州都別の殺人事件発生率上位3市は、アラカジュ66・7、ベレン64、ポルト・アレグレ64・1だった。
また、警官が関与した殺人事件は25・8%増え、警官が殺される事件も17・5%増えた。警官が殺した相手は99・3%が男性で、その81・8%は12~29歳だった。黒人の犠牲者も76・2%いた。警官が殺された場合も、黒人が56%で白人の43%を上回った。
他方、強盗殺人事件は2703件で、2010年からの7年間で57・8%増えた。最も発生率が高かった州は、ゴイアスの10万人あたり2・8で、パラーやアマパーがそれに続く。
また、強姦事件は3・5%増の49497件起きた。16年に殺された女性は4657人だが、2015年に重罪扱いと決まった、家庭内暴力が原因である殺人や女性であるが故に殺された例を「女性殺人」に分類した例は533件のみで、新しい法規が適用されていない様子が窺われた。
16年は犯罪全般が増えているが、治安や防犯にかける経費は減っており、懸念も広がった。