【既報関連】連邦上院議会は10月31日、下院が提出し、4月4日に承認した後に上院に回した、スマートフォンによるタクシー配車サービスに関する規制法案、17年法案28号(PLC28ー17)に、主に四つの変更を加えたものを賛成46、反対10で承認したと1日付現地各紙・サイトが報じた。
UberやCabify、99taxiなどの配車サービス会社に厳しかった法案は、上院での変更で緩和された。
下院を通過した時点では「車両は配車サービス会社が運転手に貸し出している」と定められており、配車サービス各社の車も既存タクシーと同様、赤いナンバープレートを使わねばならなかったが、その義務は削除された。「車両の持ち主だけが配車サービスの運転手として営業できる」、「自治体が配車サービス会社に規制を加える」、「配車サービス会社の運転手は車両が登録されている自治体内でのみ営業できる」などの項目も取り除かれた。これらの変更により、同法案は、下院で再度審議する必要が生じた。
国内で最大のシェアを誇るUber社は、14年5月にリオ市で営業を開始した。昨年登録していた運転手は5万人だったが、現在は50万人に達している。
Uber社は、競合のCabify社、99taxiらと共同で、配車サービス会社として働きかけを行ってきた。
上院採決後、「50万人のドライバーと、1700万人の利用者の声が聞き入れられた」(Uber社)、「上院は国民への思いやりを示した」(Cabify社)、「社会にとっての勝利」(99taxi)との声明を発表した。
本会議場には配車サービス側、既存タクシー側の代表者が詰めかけ、議事進行に歓声や怒声が響いた。Uber社広報のファビオ・サッバ氏が、スペイン紙のインタビューを受けている最中に暴行を受ける一幕もあった。
エジミウソン・サルロ、ブラジルタクシー運転手組合会長は、「話が違う。『赤ナンバー義務』と、『車の持ち主だけが配車サービスの運転手になれる』の撤廃だけで、下院に戻さず成立させるはずだった。下院で、配車サービス会社への規制が再適用されるように戦う」と語った。
テメル大統領(民主運動党・PMDB)としては、対立に巻き込まれたくないのが本音で、大統領府は採決延期も図ったが、達成されなかった。
エウニシオ・オリヴェイラ上院議長(PMDB)は逆に、委員会を飛ばさせるなどして、同法案の採決を急いだ。同議長は、「ロドリゴ・マイア下院議長(民主党・DEM)に手続きを急いでもらう。今後は下院の責任」と採決後に語った。