ブラジル連邦会計検査院(TCU)が8日、重大な不正発見を理由に、11の公共事業の停止を要請したと8、9日付現地紙、サイトが報じた。
会計検査院は毎年、公共事業の進捗状況や経費などの監査を行う。17年は94の事業中、72の事業で不正が見られたが、特に重大な不正が認められた11の事業については、連邦議会に差し止めを要請した(同検査院には差し止めを命じる権限はないため)。
停止が要請された諸事業(カッコ内は実施率)は、アラゴアス州のサンフランシスコ川疎水工事(担当オデブレヒト社、75%)、バイア州での国道235号線建設(90%)、同道が同州ジュアゼイロ市を通過する部分の適正化(14・57%)、ピアウイ州パルナイバのオリンピック村建設(12%)、ペルナンブコ州の生物化学・血液製剤製造工場建設(70%)、リオ州のアングラⅢ原発建設(64・87%)と、ペトロポリスでの国道40号線上り坂建設(35・13%)、免疫生物学のための最終処理センター建設(7・34%)、サンパウロ市ラジアル・レステのバスレーン建設(第1、第2区間、共に未着工)、トカンチンス州パウマスのバス高速輸送システム(BRT、未着工)だ。
これらの事業では、不要または実際に行っていないサービスへの請求、市場価格を大幅に上回る水増し請求、契約内容にそぐわないサービス、支払条件の変更、技術面や環境面での検討不足、入札規定の不備などの問題が指摘されている。
TCUが不正を指摘した事業の割合は、16年が126事業中77で61%だったのに対し、今年は94事業中72で76%に増えた。
停止が要請された事業数は07年の77が最多で、14年は4に減ったが、15年は5、16年は10と増加している。
停止要請が出た事業の一つであるリオ州の国道40号線の工事は、4640キロに及ぶトンネル建設も含んでいるが、トンネルが地下を通る81キロ地点では、7日と9日に路肩の陥没事故が発生。7日の事故では民家1軒が飲み込まれた。9日は更に、直径17メートル×深さ70メートルの大きな穴が出来て、3階建ての建物と車庫、貯水槽が飲み込まれた。州防災局は現在、トンネル工事と事故との関係などを調査している。