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《ブラジル》労働法関連の暫定令が不規則労働者の権利を阻害?=年金積立金の追納など要求=失業保険の利用には制限=組合側の新たな抗議必至

16日のテメル大統領(Alan Santos/PR)
16日のテメル大統領(Alan Santos/PR)

 7月11日に上院が承認し、同月13日にテメル大統領が裁可した改正労働法が今月11日に発効した。発効前から不備が指摘されていた点を補足するために14日に出された暫定令(MP)808は、就労日や就労時間が不規則となる、断続的な(intermitente)労働者に対する労働上の保障を制限しかねない内容になっており、問題視されている。16日付現地紙が報じている。

 不規則労働者は、改正労働法で新しく認められたカテゴリーで、正規雇用か否かに関わらず、時期や時間を限定して、断続的に働く労働者だ。商店やレストラン、バーなどが忙しい時期や時間帯だけ頼む労働者や、授業のこま数で給与をもらう語学教師などもこの範疇に入る。
 不規則労働者は賃金も固定しておらず、1時間あたり4・26レ以下、もしくは1日あたり31・23レ以下の契約の場合や就労日が少なければ、月収が最低賃金を下回る可能性がある。
 今回のMPでは、月収が最低賃金に満たない場合は、労働者が社会保障費(INSS)の不足分を払うことや、不足したままだとその月は年金や失業保険を受け取る際の対象から外すこと、通常の雇用契約だった人を不規則労働者として再雇用するまでの猶予期間を18カ月とすることなども定めている。猶予期間は2020年12月までの限定付で、それ以降は解雇と同時の不規則労働契約締結も可能となる。
 MPでは、不規則労働者にFGTS(勤続期間保障基金)の80%までを引き出す権利を認める一方、失業保険の利用に制限を加えている。これは、雇用者側のINSS徴収額が最低積立額に満たない場合の不足分補足同様、労働者への保障を制限するものだ。
 だが、労働問題を専門に扱う弁護士のカロリーネ・マルシ氏は、不規則雇用者の手当てに関する規制は理にかなっているという。カシア・ピソッティ弁護士も「不規則労働者は容易に仕事を変えられるため、仕事を変わるたびに失業保険を請求することもありうる」として、新たな規制に理解を示した。
 だが、ジアンカルロ・ボルバ弁護士のように、「労働者間の差別を助長し、労働者の権利を阻害しかねない」と警鐘を鳴らす声もあり、大手労組のフォルサは早速、連邦議会にMPの変更を求めている。
 今回のMPでは、健康面での影響が心配される職場での妊婦の労働継続は、本人が希望し、医師の診断書を提出した場合にのみ認めることを明記した。損害賠償金については、最後に払われた給与の50倍までとしていた部分が、INSSの上限の50倍(5531・31レアル)までに変更された。12時間働いたら36時間休むという労働形態も個人的合意としていたものを、保険関係の職場以外は集団合意が必要と変更している。
 MPは即時発効だが、6カ月以内に議会の承認を得ることが必要だ。

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