ポルトガルの首都リスボンで15日未明、現地在住17年のブラジル人女性イヴァニセ・カルヴァーリョ・ダ・コスタさん(36)が地元警察に撃たれて死亡したと、16、17日付ブラジル国内各紙・サイトが報じた。
リスボン都市圏アルマダ市で発生した現金自動引き落とし機(ATM)強盗犯を追跡していた警察は、容疑者の車と、イヴァニセさんを乗せ、彼女のパートナーが運転していた車とを混同し、射撃。車は少なくとも20発被弾し、イヴァニセさん自身も首筋に弾を受けた。イヴァニセさんはすぐに病院に運ばれたが、その途上で帰らぬ人となった。
2人が乗っていた車は警官による停車命令に従わず、警官を轢こうとさえしたため、銃を使用せざるを得なかったと、地元警察は発表している。
運転手は、携帯が義務付けられている運転免許や自動車保険の証書を計携行しておらず、路上で多くの警察車両を見て驚いたようだ。運転手は、慌ててバックギヤを入れ壁に衝突した後、警官たちの方へ走り出し、発砲を招いた上、免許不携帯などで逮捕された。
ポルトガルでは、市民が警察の手にかかって死亡する事件は非常に少ない。13~15年の発生件数はゼロで、イヴァニセさんは今年初の警官による死亡事件の犠牲者となった。そのため、この事件は同国で大反響を呼んでいる。
地元検察は即座に調査を開始。エドゥアルド・カブリタ内務相も、事件を「不幸な出来事」と呼び、「全ては調査により解明される」とした。
在ポルトガル・ブラジル大使館は、「事件に対する深い悲しみを表明する。在リスボン・ブラジル総領事館は既に遺族と連絡を取っている。大使館は事件を注視すると共に、捜査と法的措置の進行を待つ」と書面で発表した。
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