▼今年の大豆加工率は2016年度に比べて低調
パラグァイの大豆加工産業の情勢は、絶対数及びパーセンテージ指数においても、例年のレベルにくらべて、それぞれ減退している。
2017年度の大豆生産は記録的な、1千万トン強の収穫に拘わらず、その加工率は、CAPPRO・パラグァイ油性穀物加工業協会によれば、わずか36%、即ち360万トン強に止まる予想である。
ちなみに、2016年度の大豆加工実績は362万5千805トンで、大豆総収穫量の39%相当だった。
今年の1月から9月の期間に国内産業が加工した大豆量は284万7千144トンで、其の生産大豆ミール、大豆油、大豆粕は金額にして8億9千893万ドルである。
CAPPROの推計ではこのうち、大豆ミール70%、大豆油20%、およびおおよそ5・5%は大豆粕が占める割合の由である。
この産品目の割合(粉70%、油20%、粕5・5%)から、本農年度の大豆生産量一千万トンの仮定的な加工収益性を試算すれば、それら副産物の輸出は、別に生原料大豆のそれに加えて、3億ドルの外貨取得増になる勘定だという。
CAPPROは11月22日には、UIP・パラグァイ工業連盟の講堂において、「国家農産加工業の競争力と危険性の問題」をテーマにした、フォーラムを開催する予定である。
▼明るい播種後の大豆生育の見通し
本農年度(17/18)の大豆作付けは、播種期の9月の旱魃で相当に困難だったが、最近の良雨でその展望は明るいと、UGP・同業生産団体連盟のエクトル・クリスタルド会長は語った。
雹害があった地方では再播種が行われ、今年の大豆作付け面積は340万~350万ヘクタールに及ぶ予想である。
「当初は特に、9月は雨の不足で第7号国際道路(伯フォス・ド・イグアスー向け)以北の地方ではかなり作付けに苦労したが、10月になって降雨が順調で、雹害が非道かった各県でも補植が出来て、全国での大豆播種は終わり、其の後の生育状態も良いので、見通しは明るい」と、クリスタルド会長は説明した。
ただし、これから収穫期まで、生育期のアフタケア―が大切で、病虫害等の被害に決して注意を怠ってはならない。
大豆作付け予想面積は、前述の通り340万~350万ヘクタールで、昨農年度は333・8万ヘクタールだった。
これ等の点は、1カ月中に衛星画像による情報データでハッキリ分るだろうとの事である。
ついで、企業的な大型機械化大豆生産に反対する農民運動に関しては、ある特定の地域における思想的又は政治的問題で、働き者の人達を錯綜せんとする一部の者の工作によるものだと述べた。
しかしながら、これ迄に聞いた苦情によれば、95%の場合、実際は本質的な問題ではなく、むしろ隣人関係の問題に起因していると、クリスタルド会長は語った。