サンパウロ州地裁は23日、サンパウロ市議会議員の給与を26・3%増額調整する決定をくだしたと24日付現地紙が報じた。
これは正確には、10カ月前にブラジル弁護士会サンパウロ州支部(OAB―SP)より出されていた要請に応えて同地裁が出した、サンパウロ市議の給与調整差し止めの仮処分を取り消したものだ。
市議の給与は13年から据え置かれていたが、これにより、月給は1万5031・76レアルから1万8991・68レに増額される。
55人の市議全員の月給、一人あたり4千レ近い上昇分は今年始めから有効だったことになり、各市議には既に、累積差額の手取り分(約2万8千レ)が一括で振り込まれた。給与調整による、今年のサンパウロ市予算への影響は318万レだ。
ミルトン・レイテ市議会議長(民主党・DEM)は、「議会は常に司法に従ってきた」と述べた。同議長は昨年12月の市議会で給与調整に賛成している。採決結果は賛成30、反対11、棄権・欠席14だった。
給与調整に賛成した議員や、初当選で今年から市議職に就いた市議の一部には、増額分を返金、または慈善団体に寄付すると語っている議員もいるが、OAB―SPはコメントを避けた。
市議会が任期中の市議の給与を増額する事は法律で禁じられているが、市議会は昨年末の最終審議で、「来年(=今年)から始まる任期(2020年まで)の給与調整」実施を決定した。調整率には前任期中のインフレ分も含まれる。
ジェトゥーリオ・ヴァルガス財団の政治学者クラウジオ・コウト氏は、「職責の重さから、4年間据え置かれていた給与の増額調整は理解できなくもないが、市議給与とは別に支給されている、秘書雇用費その他の手当18万8千レは高すぎ、公庫への負担となっている」とした。