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シャペコエンセの悲劇の墜落事故から1年=その後、チームはさらに強く成長も

現在のシャペコエンセ(Sirli Freitas)

現在のシャペコエンセ(Sirli Freitas)

 28日、ブラジル、そして世界中のサッカーファンに衝撃を与えた、サッカー・クラブ、シャペコエンセを乗せたラミア航空2933便墜落事故からちょうど1年が経過した。
 2016年11月28日、シャペコエンセはコロンビアのメデジンで行われる予定だった南米杯(スダメリカーナ杯)の決勝第1試合のために、ボリビアを経由して、コロンビアのラミア航空の飛行機で向かっていた。
 だが、飛行機は到着先のジョゼ・マリア・コルドヴァ空港にたどりつくことはなく、現地時間の28日21時58分(ブラジリア時間では29日午前2時59分)に、燃料切れが原因で、近くのエル・ゴルド山脈に墜落した。
 この事故で、乗客77人のうち、選手19人、監督を含むスタッフ14人、ジャーナリスト20人など71人が死亡。生存者は選手3人を含む、わずか6人だった。
 この事故はブラジル、南米のみならず、世界中に大きな反響と悲しみを与えた。サッカーは飛行機での移動が多いプロ・スポーツでもあるため、世界の一流選手たちもこぞって反応し、サッカーファンに対して追悼を呼びかけ、話題となった。
 また、大都市のチームが上位独占を続けるのが伝統となっていたブラジル・サッカー界において、人口20万人ほどの市のチームが、大きな戦力補強もしないまま、全国1部リーグで活躍(奇しくも犠牲になった選手たちの最後の試合は前日27日の全国選手権対パルメイラス戦で、この試合に敗れ、パルメイラスに優勝を決められた)し、この南米杯がチームにとって創設以来最大のビッグ・タイトルになるかならないかのタイミングだったという事実も、事件の悲劇性をさらに大きなものにしていた。
 それから丸1年。その間、シャペコエンセは南米杯で優勝と判断され、南米杯よりスケールの大きな真の南米一を競うリベルタドーレス杯に出場。選手を総入れ替えする急場しのぎの状況ながら、第7グループで勝ち点7の4チーム中3位。決勝トーナメント入りは逃したが、2位との勝ち点差は1点だった。
 そして、事故当初は「現状の戦力なら2部降格もやむなしか」とも言われていた全国選手権でも、現在、今季残り1試合の時点で9位。11位だった昨年よりむしろ順位が良く、12月3日に行われる最終戦の結果いかんでは、自力でのリベルタドーレス杯進出も夢ではない状態にまでなっている。
 28日、コロンビアのラ・ウニオン市では、市中央部にある公園で、昨年の南米杯での対戦相手になるはずだったアトレチコ・ナシオナルとアンティオキア県政府によるシャペコエンセの追悼式が行われた。現在のシャペコエンセのメンバーはその場には参加できなかったが、71人の犠牲者の名前と追悼の言葉を刻んだプレートが設置された公園には、多くの人たちが詰めかけて黙祷を捧げていた。(28日付ア・タルデ紙電子版、ESPN電子版などより)