民主社会党(PSDB)の新党首就任が有力視されている、サンパウロ州のジェラウド・アウキミン知事が28日、テメル政権から離脱する意向を明言した。テメル大統領(民主運動党・PMDB)は12月2日にアウキミン氏と話し合いを持つ予定だが、連邦政府やPMDB内部では既に不快な感情を抱いているという。29日付現地紙が報じている。
アウキミン氏は28日、ラジオ・バンデイランテス局の番組「プログラマ90ミヌートス」に出演し、PSDBの連立離脱について語った。
アウキミン氏はテメル政権について、「私は最初(16年5月の暫定政権発足時)から連立参加にはずっと反対だった。PSDBには、連立に加わったり大臣を指名したりするべき理由はなかった」と語った。
さらにアウキミン氏は、同党のブルーノ・アラウージョ氏が都市相を辞任したことに触れながら、「他の閣僚もしかるべきタイミングで辞任すべきだ」と語った。
連邦政府内には現在もPSDB所属の閣僚が3人残っているが、アントニオ・インバサイ氏は大統領府事務局長官を降りることになった後も、配置転換で残留すると見られている。大統領はアロイージオ・ヌーネス外相も残留させる意向と見られている。
そして、「では、テメル大統領を捨てる(連立を離脱する)のか」と単刀直入に尋ねられたアウキミン氏は、「下院での政権支援や国にとって必要なプロジェクトの承認などの公約や責任があるから、無責任に放棄したりはしない」と語った。しかし、離脱の時期は自分が党首となった時とも語っており、12月9日の党大会後の早い時期に連立離脱となる可能性がある。
この発言で、連邦政府は心象を悪くしているという。テメル大統領とPMDBは、連邦政府内の中道右派政党と連合を組んで来年の大統領選挙に臨むつもりで、PSDBも連立を組む対象の一つと考えていた。だが、アウキミン発言で、PSDBに対する各政党の印象はまた悪くなった。
PMDBのロメロ・ジュカー党首は、「PSDB内で話し合いが行われ、閣僚再編成や政権移行の時期を乗り切るために協力してくれると信じたい」「アウキミン氏は他党とも話し合うべき」とし、「社会保障制度改革などでPSDBがとる態度が言葉以上に大切」との考えを示した。さらに「来年の選挙でPMDBの協力を得たいなら、アウキミン氏は、与党離脱を訴えている党内勢力からのプレッシャーに向き合わなければならない」とも語った。
テメル大統領は今週の土曜日(12月2日)にサンパウロ州リメイラに出向いてアウキミン氏と会い、今後の連立関係をどうするかについて直接交渉する意向だという。