サンパウロ総合大学(USP)が、ジウマ大統領の罷免時に有名になった同大学教員のジャナイーナ・パスコアル氏に対し、「大統領罷免時の活躍は正教授として採用するための学術評価とは別物」との見解を示していたことがわかった。11月30日付現地紙が報じている。
ジャナイーナ氏は、ジウマ大統領罷免請求書の作成者のひとりで、同件に関する議会での審議にも参加。発言を求められた際の情熱的かつ激しい言動で報道メディアから注目され、一躍、全国的な有名人となった。
だが、知名度はあがっても、大学での出世にはつながらなかった。ジャナイーナ氏は9月、同僚2人と共に同大学法学部の正教授の座を巡って争ったが、定員2人のところを3位に終わり、大学側に抗議していた。ジャナイーナ氏は2003年からUSP法学部で教鞭をとっている。
この抗議書を受け、同大のサロモン・シェカイラ法学部長らは、「ジャナイーナ氏は、大統領罷免やベネズエラ国民のための戦い、ブラジル弁護士会(OAB)の委員会や刑法刑務所委員会の委員会での活動を行ってきたのに、コミュニティーへの貢献が見られないと評価されたとして、不服を申し立てているが、これらの活動は学術的な評価には関係ない」との見解を示した。
ただし、ジャナイーナ氏が不合格になった最大の理由は、「刑法と宗教」という題の学術論文の点数が低かったためだという。